体重別給与量の目安(1日量)
- 体重5㎏:小さじ1/2まで
- 体重10kg:小さじ1まで
- 体重20㎏:小さじ2まで
- 体重30kg:大さじ1まで
上記はあくまで嗜好性アップや何らかの理由があり利用したい場合の目安量です。いつのまにか量が増えてしまわないよう気をつけてくださいね。特に必要な理由がない場合は与えないようにしましょう。
ご褒美などで甘みを与えたいときは、ほんのひとなめ(指先に塗れるくらい)程度だと思ってくださいね。
スタッフコラム2話目
はちみつを愛犬(パートナー)に与えてもいいのでしょうか?と疑問を持たれる方は多いです。ヒトの場合では乳幼児(1歳未満)には与えてはいけないと妊産婦さんには注意喚起されています。だから、犬にもダメなものと考えたり、単に甘いものだから与えてはいけないと思っていたり、など。
はちみつは犬にとっても良い栄養源になりますが、注意も必要です。今回はペットフーディストの山本が愛犬にはちみつを与える際の注意点やメリットについて説明します。
はちみつは、愛犬に与えることができる食品です。ただし、年齢や体調によっては避けた方が良い場合がありますので注意点を知っておいてください。
子犬、免疫力が低下している老犬、抗がん治療中など
ボツリヌス症(中毒症状)を防ぐためです。本来、腸内環境が健全である場合は問題ありませんが、腸内環境が未成熟な子犬、菌への抵抗力が衰えている愛犬には与えない方が良いでしょう。ちなみに現在のところ、はちみつを食べてボツリヌス症になったという確かな情報はありません。
余談ですが、ヒトでは1歳未満の乳幼児には与えないよう注意喚起されています。
糖尿病や肥満の場合
はちみつの栄養素は、ほとんどが糖質(ブドウ糖、果糖)であり、血糖値をあげやすいです。血糖値をあげたくない疾患(糖尿病)や肥満が気になるときは与えないようにしましょう。
薬との食べ合わせ
はちみつの主な成分が糖質のため、血糖値を一定に保つためにインスリンを処方されている場合は与えられません。そのほかの薬への影響はみつけられていないようです。心配な場合は、念のため薬を処方された獣医師にご相談ください。
アレルギー
はちみつは、ミツバチが花の蜜だけでなく、植物の分泌物やこれらを摂取した別の昆虫の排出物も一緒に採集し、巣に持ち帰りミツバチ自らの酵素を使って作られたもの。さまざまな物質を含みます。花粉アレルギー、ミツバチアレルギーという言葉もあるように、何らかのアレルゲンがあれば反応が出る可能性はあります。アレルギー体質であれば、避けた方がよいでしょう。
はちみつの栄養素は主にブドウ糖と果糖といった糖質です。糖質以外はカリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB1、B2、Cなどのほかオリゴ糖も含みます。(100gあたり:カロリーは329kcal、水分17.6g、ほぼブドウ糖、果糖による炭水化物81.7g)
私たちがスーパーなどで手にするのは「純粋はちみつ」が一般的です。これには生(非加熱)、過熱、オーガニック、ほか産地もさまざまな種類によって風味や成分に違いがあります。たとえば生はちみつには、過熱されたものよりも天然の栄養価や風味が保持され健康志向派の間では人気が高いようですね。
糖質は、消化器官に負担なく素早くエネルギーとして利用できます。食欲低下時には少量であっても栄養補給に役立つものです。 実際、筆者の愛犬の介護時、食事ができない状態になってからも、はちみつ入りの水を飲んでくれたのでとても助かりました。
食事から栄養が摂取できず低血糖になる場合や、てんかん発作のような症状があり発作のリスクを減らすため早めに糖質を摂取させたい場合にはちみつは役立ちます。
糖質は水分を保持するのに役立つ働きがありますので、薬膳の効能で書かれるような喉や肺、皮膚の水分が気になるときに使われるようです。第3類医薬品として販売されている「日本薬局方 ハチミツ」の効果効能にも口唇の亀裂・あれが記載されています。外用として塗ると良いということですね。
また薬膳では大腸が気になるときにも使われるのですが、はちみつには腸内環境の健康維持に役立つオリゴ糖が含まれるという点で現在の栄養学からもおすすめできます。
はちみつの種類によっては、マヌカハニーにいわれるような抗菌作用を持つ成分を多く含まれるものがあります。(マヌカハニーの抗菌成分とは種類が違います)
たとえば、はちみつの名前に「TA20+」や「TA35+」と記載されている場合、TA(Total Activity)は抗菌活性力の強さを表す指標で数字が大きいほどたくさん含まれるという意味だそうです。
はちみつが持つ成分は過熱すると抗菌性が失われる性質のため、抗菌を期待する場合には生はちみつを選ぶと良いでしょう。愛犬の歯周病が気になるときなどに意識してみてはいかがでしょう。
甘みは犬の反応が良いものです。はちみつの匂い自体は魅力的なものではありませんが、少量を上あごにつけたりして舐めさせてみると気に入って舐めだすケースは多いです。
ハイシニア期には食欲のスイッチがなかなか入らないお悩みが出てきがち。そんな時、ほんの少し舐めさせてみると食欲亢進できることがあります。
甘みを好む愛犬にはちょっとしたご褒美にもなりますね。
愛犬にとってメリットの多い食材といっても、健康で食欲がある状態であれば、糖質を控えるべきです。与える際には、給与量の目安を守りながら上手に利用してくださいね。
上記はあくまで嗜好性アップや何らかの理由があり利用したい場合の目安量です。いつのまにか量が増えてしまわないよう気をつけてくださいね。特に必要な理由がない場合は与えないようにしましょう。
ご褒美などで甘みを与えたいときは、ほんのひとなめ(指先に塗れるくらい)程度だと思ってくださいね。
ヨーグルトを食べ慣れているパートナーには、混ぜて与えるとお腹の健康のためにおすすめのコンビネーション(プロバイオティクスとプレバイオティクスが摂取できる)です。
みかんやグレープフルーツの酸味をはちみつの甘みが緩和してくれます。柑橘系の果物はビタミンCが摂取できるだけでなく、犬にとっても気分のリフレッシュに役立ちますし、有機酸は胃腸の働きを応援(活性化)するのにも役立ちます。ちょっと便秘が気になるときに試してみてはいかがでしょう。果物の代わりにリンゴ酢でも良いですよ。
ヨーグルトも柑橘系の果物(みかんやグレープフルーツは薄皮を除いて与えましょう)も大量に与えるものではありません。体形や先述のはちみつの給与量を参考にして合わせてくださいね。
例)ヨーグルトもしくはみかん大さじ1+はちみつ小さじ1/2 (1日量)
特別の日やおやつとしての参考レシピです。常食用ではありませんが、たまには手作りを楽しんでみるのはいかがでしょう。
いわゆる一般的なはちみつとは異なりますが、マヌカハニー(マヌカというマヌカの花から採取された蜂蜜)という特別なはちみつを使ったデンタルケア商品があります。魅力は特有の甘みがあることで、おうちでのデンタルケアが苦手な愛犬たちに人気なんです。歯磨きや歯茎をマッサージする際に使うためのジェルをご紹介します。
ボツリヌス菌を特殊な殺菌製法で除去しているので、子犬や子猫にも使えます。原材料はマヌカハニーのほかにプロポリス、コロイダルシルバーなど、お口の中の健康に役立つ成分を配合しています。
おいしいと評判ですが、食品ではありません。苦手なデンタルケアを克服するために使ってみませんか。
はちみつは、甘くておいしいだけでなく貴重な微量栄養素が摂取できるとか、口の中やお腹の健康やそに役立つものとして話題になることがあります。
もちろん、期待できる成分が多く含まれるはちみつもありますが、愛犬にそれほど多く与えられるものではありません。甘みと糖質が必要な状態にときに役立つものとして上手に使ってくださいね。
【参考資料】
・愛犬のためのホリスティック食材辞典 日本アニマルウェルネス協会(発行・監修)
・八訂食品成分表2021 女子栄養大学出版部
・食物と薬の相互作用 厚生労働省 e-ヘルスネット
・全国はちみつ公正取引協議会HP内 公正競争規約
・ひとさじのはちみつ 前田京子著 マガジンハウス
商品選びのお悩みの際は、お気軽にGREEN DOG & CATのごはんの窓口にお問い合わせください。
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ごはんの窓口はこちらから筆者
ペットフーディスト、 アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー、 ペット栄養管理士、 犬の食事療法インストラクター上級師範
GREEN DOG & CAT ライフナビ編集部
犬と猫の基礎栄養学を学んだペットフーディスト等の資格を持つメンバーで構成されています。
パートナー(愛犬・愛猫)との暮らしを通して学んだことや感じたことを大切に、オーナー(飼い主)の目線に立ったコンテンツ制作を心がけています。
<編集部メンバーの取得資格> 編集部メンバーは、それぞれ得意分野に合わせて以下の資格を取得しています。
・ペットフーディスト
・ホリスティックケア・カウンセラー・ペット栄養管理士
・犬の食事療法インストラクター上級師範
・愛玩動物飼養管理士 など