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愛犬の健康診断(2)~腎臓の数値が気になる~
スタッフコラム22話目
どこも問題ありませんように...
パートナーの検査結果を聞く瞬間はドキドキしますね。
愛犬の特にシニア期に気になるのが腎臓の数値。
今回は腎臓の数値が高くなる理由や腎臓をいたわる食事について、ペットフーディストが説明します。
腎臓に関わる数値の意味
腎臓には血液をろ過するという大きな仕事があります。
必要な成分を血液に戻し、要らないもの(老廃物)を体の外に捨てるため。フィルターのようなものですね。
腎臓が弱ってくると、ろ過が出来なくなり血液中の老廃物の量が増えます。
老廃物とは主に体で使われたあとのタンパク質。いわゆる残りカスのようなもの。
<検査項目>
・CRE
クレアチニン(アミノ酸)のことで、筋肉に多く含まれる成分。
激しいスポーツや怪我、脱水や心臓の状態によっても高値になることがあります。
・BUN
血中尿素窒素(尿素はタンパク質からできる)
肉・魚・野菜などあらゆる食材に含まれるタンパク質の中に含まれる成分。
タンパク質の摂りすぎや腎臓以外の疾患でも高値になることがあります。
・SDMA
対称性ジメチルアルギニン(アルギニンが代謝されてできたもの)
心血管系の疾患でも高値になることがあります。
CRE,BUNより早期に判断できるので注目されている検査。
我が家もパートナーがシニア期に入ってからは年に2回こちらで調べてもらっています。
※アルギニンはタンパク質に含まれ、犬には必須アミノ酸です。
<CRE、BUN、SDMAの数値が高くなる主な理由>
・タンパク質の過剰(食事内容、運動不足などで余っている状態)
・腎臓機能が衰えている
・何らかの理由により腎臓への血流量が少ない
ろ過機能の低下や疾患以外の理由としては、体が使いきれないほどのタンパク質を摂っているとき。
シニア期は注意が必要です。
腎臓をいたわる食事
腎臓病予防のために飼い主の判断で腎臓用療法食に切り替えるのは要注意です。
この食事は腎臓の負担を減らすためにタンパク質、リンを抑えたレシピ。
これらは活動維持のために必要な栄養素なので不足してもいけないのです。
そのため、
腎臓用療法食に切り替えるタイミングは獣医師の診断によって決められます。
通常の食事では、タンパク質の「過剰」を避けることを意識しましょう。
<ドライフードの場合>
ドライフードのパッケージの裏側に書かれているタンパク質量(粗タンパク質量)をチェックしましょう。
・運動が大好きで筋肉量も多いならタンパク質はたっぷり必要。
ドライフードのタンパク質量目安(30%から38%)
商品例)トライプドライ グリーントライプ&バイソン
・軽いお散歩で満足なタイプ。小型犬では7歳以上の場合。
タンパク質量目安(18%から28%)
商品例)メンテナンススモール フレッシュラム
上記はあくまで目安です。適量は一番わかりにくいところですね。
お散歩の時間が減った、太ってきたと感じるならタンパク質量を今より減らすことを意識しましょう。
フードを変更できない場合は、給与量を少し減らし代わりに野菜スープを足すのはいかがでしょう。
水分をしっかり摂取することは腎臓のサポートにもつながりますよ。
お散歩をがんばった日は少しだけ量を増やすなど、日々調整するのが理想です。
おわりに
パートナーの年齢とともに腎臓の衰えが出てくるのは当然のこと。
まずは過食を防ぐことが腎臓の健康維持に大事ということを忘れないでくださいね。
そして、定期的な健康診断をお忘れなく!
【関連ページ】
・愛犬の腎臓が気になる!慢性腎臓病(慢性腎不全)対策の食事
不明点などありましたら、GREEN DOGのケア・カウンセラーまでお気軽にご相談ください。
ご相談は無料
ごはんの窓口はこちらから筆者
ペットフーディスト、 アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー、 ペット栄養管理士、 犬の食事療法インストラクター上級師範
山本 由能(やまもと ゆの)
現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。
自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。
日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。