犬の塩分の小話

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犬の塩分の小話

スタッフコラム24話目

犬の塩分_柴2頭.jpg

筆者が子供のころ(何十年も前です)、犬たちはちくわが好きということを知ってました。
大人が与えるのを見ていたからです。
大人も犬が喜ぶだろうと与えていたのですが、健康のためには良くないこと。
ちくわには塩分のたっぷり入っているから。
ほんとうにそうでしょうか?

犬にはどれくらいの塩分が必要なのか、ヒトとはなぜ違うのか。
今回はペットフーディストから犬の塩分についての小話です。

よく聞くあの情報は間違っている?

犬に塩分豊富なものを与えてはダメ。
多すぎる塩分は、犬にとって毒。

理由は「ヒトのように汗をかかないから」と聞きますが、これは間違いです。

実は、余分な塩分のほとんどは尿として排泄されるのです。
汗をかく、かかないは問題ではないのです。
では、何が問題なのでしょう。

必要な塩分量

塩分は体に必要なもの。体内での多くは細胞の外側や骨の中で使われます。
体内の水分バランスや神経の伝達、筋肉を動かすためにも使われます。

だから、最低必要な量の目安があります。

<必要最低量の塩分(1日量)>
実は成人と犬(体重5kg)の体重あたりに必要な塩分量はほぼ変わりありません。

・ヒトの場合
成人の一日に必要な最低量:食塩1.5g (ナトリウムに換算すると600mg)

・犬の場合
成犬(体重5kg)の一日に必要な最低量:食塩0.14g(ナトリウムに換算すると60mg)

※体重5kgの一般的な給与量から計算しました。
※ヒトは厚生労働省、犬はAAFCOの数値を参考にしました。

実際に摂っている塩分は?

実際に私たちが一日に摂っている塩分は1.5g(最低量)どころじゃありません。
日本人の平均摂取量は10g前後。せめて目標は7g以下にしよう!と言われています。
心臓に負担をかける高血圧の主な原因は塩分の摂り過ぎ。
ラーメン一杯スープごと飲み干したらおよそ5gの塩分を摂ってしまうそうですよ。

実はドライフードもけっこう塩分はしっかり入っているのです。
平均的には体重5kgの一日の給与量の中には食塩0.5~0.7gぐらい。
最低量は0.14gですから3倍以上入ってます。(2本指での塩少々の量です)
これは愛犬の体の維持や活動に必要な量なのですが、さらに私たち用に味付けされた食べものを与えると過剰になってしまいます。

ちなみにちくわ1本には1g。

ドライフードをしっかり食べた後のデザートだとしたら多すぎですね。

塩分を摂り過ぎるとどうなる?

過剰な塩分を薄めるために血液の中に水分を摂り込みます。
すると血液量が増えて高血圧の状態になります。
高血圧は心臓や腎臓に負担を大きくかけるほか、毛細血管を傷つけるなど健康を害する原因になるのです。
例えば腎臓や脳は毛細血管の多い臓器。大切な臓器が傷ついてしまうのです。

まとめ

犬にも塩分は必要。
余分な塩分は尿から出してしまうけど、そのために腎臓の仕事が増えてしまいます。
私たちはそもそも危険なくらい塩分を摂り過ぎています。
パートナーの心臓・腎臓の健康を守るためにも、美味しい味付けの酒の肴をちょこっとなんてやめましょうね。

<参考商品>
おやつに小魚を与えたい場合、ヒト用の煮干しには塩分が添加されています。
塩分を気にせずに与えるためにはコチラがおすすめです。
低塩にぼし こあじ
低塩にぼし いわし
低塩にぼし キビナゴ

不明点などありましたら、GREEN DOG & CATのケア・カウンセラーまでお気軽にご相談ください。


筆者

愛犬とペットフーディスト

ペットフーディストアドバンス・ホリスティックケア・カウンセラーペット栄養管理士犬の食事療法インストラクター上級師範

GREEN DOG & CAT ライフナビ編集部

犬と猫の基礎栄養学を学んだペットフーディスト等の資格を持つメンバーで構成されています。
パートナー(愛犬・愛猫)との暮らしを通して学んだことや感じたことを大切に、オーナー(飼い主)の目線に立ったコンテンツ制作を心がけています。

<編集部メンバーの取得資格> 編集部メンバーは、それぞれ得意分野に合わせて以下の資格を取得しています。

・ペットフーディスト
・ホリスティックケア・カウンセラー・ペット栄養管理士
・犬の食事療法インストラクター上級師範
・愛玩動物飼養管理士 など

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