五行の五は「木」「火」「土」「金」「水」を表し、体のすべて、季節、性質や影響(配慮が必要)する臓器などもこの五つに分けられています。タイプ別にまとめた表ともいえますが、ここには摂るべき食材や体のバランスを調整するためのヒントが読み取れます。
・「水」
冬は「水」であらわされます。液体が上から下に流れる、潤す、寒い性質、などが関連します。水分と深く関わる臓器は腎臓や膀胱です。
・「腎」
東洋医学での腎(主に腎臓のこと)の役割を「蔵精」といいます。エネルギーを貯めておくという意味で生命力と関係が深いです。ほかには水分調節や成長、生殖機能と関わるため、腎が弱ると発育不全、精力減退、老化、腰痛などの不調がみられると考えられています。
実際、腎臓は冬の寒い時期に老化が進むため、シニア期には腹巻をするなど冷え対策を行うことがおすすめです。
・「膀胱」
膀胱は水分を貯めて、出す役割があります。冷えによってうまく働かないとおしっこが出にくくなり、膀胱炎や結石になる心配が増えます。
私たちと同様、犬も寒いと活動量が減り、また喉の渇きに鈍感になることから積極的に水分を摂らない傾向があります。そうすると尿が濃縮されて結石ができやすい、菌繁殖しやすい環境になり結石症、膀胱炎が増える原因になるのです。
寒い時は体をいたわってゆっくり過ごした方がいいといっても、年齢に応じた適度な運動を行い、水分の補給、排泄が滞らない状態を意識したほうがいいでしょう。
・「骨」
腎の役割である成長と関係し、腎が弱ると骨も弱ると考えられています。腎臓は骨を強くするビタミンD、骨髄に働きかけて赤血球数を調整するエリスロポエチン、といったホルモンを作るため、西洋医学からみても腎臓と骨の健康は関係性が深いことがわかります。
・「黒」
黒色の食べ物は腎を補うとされ、体を温め、生命力の維持に役立つと考えられています。
たとえば、黒ゴマ、黒豆といった黒い色にはアントシアニンという抗酸化成分が豊富。抗酸化成分は若々しさを維持する(細胞のいきいき)に役立つものです。
・「恐(怖がる)」
大きな恐怖を感じると腎(生命力)を傷つけると考えられています。直接感情が攻撃するということではありません。恐怖を感じることは交感神経にスイッチを入れ、心拍数を増やす、血管を収縮させるなど、高血圧を招くことが腎臓を傷つけることにつながります。
性格的に怖がりの愛犬の場合は、普段からストレスケアを意識できるといいでしょう。