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愛犬の痩せない理由とダイエットを成功させるコツ
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愛犬のためにダイエットを意識しているのに、なぜか痩せない。もしかすると思わぬところに理由がみつかることがあります。今回は愛犬の痩せない理由とダイエットを成功させるためのコツを説明します。
どんどん太るのはなぜ
痩せない理由
誰かから余分におやつをもらっている
意外と気が付いていないのは、自分は管理しているつもりでも、ほかの誰かが食べさせている可能性はないですか?ダイエットが必要であれば家族全員の協力が必要です。
よく聞くのは祖父母との同居の場合。愛犬とお留守番の時間が要注意です。
誰かにお留守番をお願いするときには、一日分として与えても問題のない量のおやつを容器に入れて渡します。それ以外の食べ物は決して簡単には目につかないところに隠して管理しておくことが余計に与えられないための工夫です。
カロリーが減っていない
フードを変えても、与える量が多いと太ります。目分量で与えるのではなく、きちんと計量してましょう。
ダイエット用フードには給与量が2種類書かれている場合もあります。たとえば「維持、減量」です。まずは現在の体重の「維持」の量で与えます。しばらく様子をみて体重が減っていなければ、「減量」の量(さらに減らす)で様子をみましょう。
太りやすい病気の疑い
病気のなかには太りやすくなるものもあります。主に内分泌系(ホルモンと関係がある)の疾患です。
甲状腺機能低下症
犬は比較的多い病気です。甲状腺ホルモンは体を活発にするホルモンなので、その分泌が低下すると、散歩を嫌がったり、元気がなくなったり、異常に寒がりになる、など。年齢のせいだと思いがちな症状なので気づきにくい病気です。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質から作られるホルモンの一種が過剰になります。たくさんの水を飲み、尿の量もとても増えたり、失禁したりします。食欲も異常に旺盛になり、腹部がポッコリと目立つ体型になることもあります。
元気がない、急に太った、たくさんの水を飲むなど、いつもと様子が違う場合は動物病院で診てもらいましょう。特にシニア期は成犬よりも健康診断を受ける頻度を増やすことがおすすめです。犬の時間は私たちより4倍早いと考えます。1年に一度の健康診断なら、4年に一度と同じことです。できれば1年に2回、理想は3~4回です。いつもと何か違う様子があれば早めに受診するといいでしょう。
太りやすい食事(主食とおやつ)とは
太りやすいということは、運動で消費するよりも食べているカロリーの方が多いということ。
次のようなケースがカロリーオーバーになりやすいです。
・高カロリーフードを与えている
・給与量より多く与えている
・ジャーキーやクッキー類を頻繁に与えている
一般的に400kcal/100g以上のフードは高カロリーです。少量で充分にカロリーが得られるので給与量も比較的控えめです。だから給与量通りにきちんと計って与える場合は、実際には高カロリーではない場合があります。
そのため、カロリーが低いフードを選んでいても、たくさん食べさせればカロリーオーバーになるということです。
私たちができるコントロールとして、愛犬にストレスを与えないことも重要です。たくさん食べたい愛犬に、給与量が少ないフード(高カロリーフード)は不向きではないでしょうか。
オーナー側も、愛犬にせがまれるとついつい量を増やしてしまうタイプなら低カロリーフードを選びましょう。
おやつも同じです。愛犬たちが喜んで食べるジャーキーやクッキー類は太りやすいです。毎日少しずつなら問題なくても、つい量を増やしてしまいがち。運動をたっぷりする習慣があり、カロリーを消費するタイプでなければ、おやつは少量しか与えないようにしましょう。
ダイエットのコツ(適した食事と与え方)
ダイエット用フード
必要な栄養を摂りつつ体重を減らすにはダイエット用に考えられたフードがおすすめです。ダイエット用フードのレシピは総合栄養食であれば、必要な栄養素がバランスよく配合されており、さらに筋肉維持をしながら脂肪を減らしやすいように配慮されています。
簡単にいえばカロリー(エネルギー量)は控えめでタンパク質は適量含まれているという内容です。単にフードを減らすよりも健康的なダイエットが行えます。
【参考記事】
【2024年】【専門家が解説】ダイエットや体重管理が必要な愛犬におすすめのドッグフード人気ランキング7選
シニア犬用フード
ダイエット用フードを食べてくれない、与えられない場合は、シニア犬(高齢犬)用フードを選びましょう。シニア犬用フードは成犬用よりカロリー(特に脂質)を控えめにしたフードです。まだシニア期より若くてもダイエットが必要な場合は、適した食事です。
ドライフードの量を減らしすぎると必要な栄養素が不足することがあります。目安として給与量の3割以上減らすことは避けましょう。ダイエット用やシニア犬用を選べば無理のないダイエットができます。
【参考記事】
【2024年】【専門家が解説】シニア犬(高齢犬)にぴったりなドッグフードおすすめ人気ランキング6選
手作り食の場合
<避けたい(減らしたい)食材>
血糖値を上げやすい食べ物は太りやすいので注意しましょう。「GI(Glycemic Index)値の高い食べ物」で検索して調べてみると出てきます。例えば、白米、小麦粉、じゃがいも、ニンジンなどです。さつまいもやバナナは低GIとされていることが多いですが、品種によって差があり、一般的には糖質が多めですのでダイエット時は控えるようにしましょう。
穀類を与えたい場合は、オートミールがおすすめです。
ジャーキーやクッキーなどのおやつも太りやすいです。ダイエットが必要ならこれまでの半分量にしてみましょう。おやつが必要な愛犬には主食用とは味の違うダイエット用フードにするのもご褒美の代わりにおすすめです。
<減らしすぎないように注意したい食材>
肉類は筋肉維持のために必要です。減らしすぎると代謝量が下がり逆に太りやすくなります。できるだけ脂肪が少ない肉を選びます。鶏肉なら皮の部分に脂肪が多くついているので、皮無しで調理しましょう。鶏モモ肉よりも鶏むね肉やささみを選ぶということです。
<野菜の選び方>
イモ類、ニンジンを控える代わりであれば、かぼちゃ、小松菜、青梗菜、白菜、大根、ブロッコリーなどがおすすめです。柔らかく煮てごはんに加えるとかさましにもなります。なかには、肉だけでなく新鮮な野菜(キュウリやキャベツ)を喜んで食べる愛犬もいます。手軽に素敵なご褒美になるので試してみてはいかがでしょう。
減量のペースの理想
すぐに体重を減らそうとあせらないことも大事です。必要な栄養素を摂り、適切な運動をして、健康的に体重を減らすには、1週間で体重の1%から1.5%減らすのが目安です。
1週間で減らす体重の目安例
体重3㎏の場合、30g~45g
体重5㎏の場合、50g~75g
体重10㎏の場合、100g~150g
急いで体重を減らそうとすると、必要な栄養、エネルギーが不足してしまい免疫力の低下につながってしまいます。ゆっくり、あせらず、でもしっかりと(ここでのしっかりとは愛犬にせがまれて余分にフードやおやつをあげたりしないことを指します)、長期計画で進められるように心がけてください。
まとめ
これまでの食生活と違って、急にダイエット用フードしか食べられなくなるなんて、愛犬にとっては大きなストレスになることもあります。
急な変更ではなく、少しずつの変化で慣らしていくなど、愛犬の気持ちも配慮してあげましょう。ダイエットの成功はあせらず、でもコツコツと根気よく続けることです。理想の体重を目指すことは大きな愛情ですから、ぜひしっかりと取り組み、難しいと感じた時には栄養学の専門家にも相談してみてください。
【参考資料】
イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 改訂版