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愛犬とのスキンシップにお灸はいかが?
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犬もシニア期はもちろんですが、季節の変わり目にはなんとなく不調になりがち。そんなときのケアにおすすめなのがスキンシップとして行える「温灸」です。今回はホームケアに興味がある愛犬家にも人気な温灸について解説します。
犬の温灸とは
温灸とは「お灸」の方法のひとつです。お灸は皮膚に直接モグサを置いて点火しますが、温灸は皮膚から離れたところでモグサを燃やす方法。熱さの調整がしやすい点が特徴です。
昔は、「悪い子にはお灸をすえるぞ」なんて言われたもの。とても熱いお灸をお仕置きの意味で使われたのですね。
もちろん、愛犬に熱いお灸はできません。彼らは私たちよりも皮膚が薄くデリケート。また被毛が燃えてしまうという危険もあるからです。
その点「温灸」は器具を使うので熱すぎないし被毛が燃える心配もないお灸といえます。
温灸をおすすめする理由
温灸の効果はお灸と同じです。ツボを熱で刺激することで、気の流れをスムーズにします。気の流れがスムーズな状態とは、体内の機能が正常に働き、健康が維持されている状態のことです。反対に、気が滞るということは、たとえばむくみやすい、便秘がち、頭に血が上りやすい、冷えやすい、などちょっとした不調の状態です。放っておくと大きな不調(病気)につながる可能性があります。
気...体のなかをめぐっているエネルギー
ツボ...気の流れの中でも特に気が集中しているところ
気が滞る理由は、体の状態(姿勢、運動のくせ、運動不足)だけでなく、心や栄養状態も影響します。多くの場合、病気になる前の段階ですから気づきにくいものです。
具体的な例では、シニア期には寝ている時間が増え散歩の量も大幅に減ってくると、気が滞りがちになります。体を動かさないと筋肉が減ったり、体内の水分が流れず浮腫みとなり、冷えやすい体質につながるからです。また、感覚器官が衰えることで不安感が強くなり、ストレスを感じやすくなり、神経の緊張状態が続くことで胃腸の不調を招くことがあります。
健康であっても不調がおきやすい季節の変わり目、運動量が減ってきたシニア期には温灸で気の流れをサポートすることがおすすめです。温灸もマッサージも体を温め血行を促進する点では同じ。血行が良い状態というのは自己治癒力を高めることにつながるので、ホームケアに興味のある愛犬家に注目されています。
家庭での温灸は治療ではなく、あくまでスキンシップのひとつ。マッサージのようなものであり、オーナーからお手当される温かさが愛犬を癒します。
温灸の道具と使い方
温灸の道具
棒灸:モグサを棒状に固めたもの
ホルダー:棒灸を差して固定するもの
火消しツボ:棒灸の火を完全に消すための入れ物(火災の原因になるので充分に注意)
ガーゼ:皮膚への熱さを和らげるために湿らせて使う
モグサとは、乾燥したヨモギの葉の繊毛からできています。子供頃に枯れたヨモギの葉を揉み続けてフワフワしたものを作って楽しんだものですが、あれがモグサだったのですね。品質には純度の高さによりレベルがあるようです。
使い方
棒灸に点火したものをホルダーに固定します。
ガーゼを湿らせてホルダーにふたをする要領で体に直接ホルダーが当たらないにします。
ガーゼを湿らせる理由は「湿熱」状態がより効果的だからです。水分を含んだ状態の方が熱伝導率は高く、熱が体に深く浸透しやすくなります。温泉に入った後の温かさが長く続くのも同じ原理です。
温灸におすすめの部位
まずは背中や腰が無難です。背骨の両側にはたくさんのツボが集まっていますのでどこでも良いくらいです。特にシニア期に弱りやすい腰や腎臓などのためには背中の真ん中からお尻までがおすすめです。
温灸の注意点
患部を温めてはいけない
基本的に疾患がある場所に温灸はしません。たとえばヘルニアなどで痛み(炎症が)がある場合は腰を温めてはいけません。また乳腺腫瘍が出来ている場所なども避けます。
基本的に温灸が行えるのは、患部ではない場所です。
たとえば、ヘルニアの治療が終わり痛みがない場合に腰を温めるのは再発の予防として良いでしょう。愛犬の様子をしっかり観察し、獣医師にも相談の上、行ってくださいね。
モグサの匂い
モグサの匂いは愛犬にとって刺激が強かったり嫌な匂いに感じたりするかもしれません。まずは、愛犬から少し離れた場所からモグサの煙を手で仰いでみて反応をみるとよいでしょう。
嫌がる様子がなければ、少しずつ温灸をはじめてみましょう。
火の取り扱い
棒灸の消化はしっかりと専用の缶に入れるなどして注意深く行ってください。
まとめ
愛犬の健康維持に役立つ温灸は家族みなで使えるので、ご興味がある方にはおすすめです。注意点は、治療ではないという点。患部には行わないことです。治療ではなくあくまで家庭で行うのはスキンシップのひとつと考えて行ってください。
まずは、専門家が教えてくれる教室に参加してみるのはいかがでしょう。温灸におすすめの部位も細かく教えてもらえるので愛犬にあったやり方がみつかるかもしれません。
特に不安感が多くなってきたと感じられるシニア期のパートナーには、ゆっくりした時間を作って温灸を楽しんでみてはいかがでしょう。
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