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老犬のシャンプー、犬にも人にも負担が少ない8つのポイント
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年齢を重ねるうちに愛しさも増してくるパートナー(愛犬)。けれども、心身ともに老化で弱くなってくるライフステージでもあります。今回は、シニア期のシャンプーについて、解説します。
老犬のシャンプーは負担になるの?
筋力や体力低下により、長い時間洗われたり、ドライヤーをかけられることは老犬にとって負担になります。足腰の衰えはもちろんのこと、加齢により心臓病なども発症しやすいライフステージです。咳や呼吸困難などが現れたり、熱めのお湯や湿度で息苦しくなることがあります。また小型犬や短頭種に多い気管虚脱などの持病のある犬も高湿度に弱いため、無理のないよう注意が必要です。
老犬はストレスを感じやすい
老齢になるにつれ、感覚器官が衰えることから、これまで平気だったことにも不安が強くなり、心が弱くなる場合があります。環境変化への順応性が弱まり、ストレスを感じやすくなっていないか、よく観察しましょう。
トリミングサロンに行くことが好きでない場合は、サロンに出かけることがストレスになることもあります。また、てんかんのような持病がある場合、そのストレスが引き金となって、発作を起こすなど、体調の急変を起こすこともあります。高齢犬がサロンで断られる場合があるのはそのような理由からです。
配慮が必要なシニア犬にとって、自宅で、時短で、飼い主に洗ってもらえることが、犬にとっていちばんストレスや負担が少ない方法です。
動物病院併設のサロンのように、体調が急変したときに、すぐに対応してもらえるところを利用するのは安心です。
最近では、自宅まで来てくれる「出張トリミング」も増えています。自分の家であれば、犬への負担も少ないですね。また老犬のトリミングの中には、愛犬の負担をできるだけ軽減するため、スピーディに施術する方法もあるようです。愛犬に負担がないサービスを利用するのも良いでしょう。
老犬をいたわるシャンプーのポイントは
家でのシャンプーは慣れていないと難しいと感じるかもしれません。まだ健康面で心配が少ないうちから練習しておくのはいかがでしょう。以下の基本的な手順を参考にして無理のない範囲で行ってください。
下準備
浴室と脱衣所の温度差があると、愛犬への体への負担が大きくなるので、浴室と脱衣所はあらかじめ暖めておきましょう(浴室は温かいシャワーを出しておくと室温があがります。お湯は浴槽に貯めるようにすれば経済的です)。
シャンプー&ドライの基本手順
1. ややぬるめ(36℃~38℃)のお湯で全身を濡らす。犬用の低刺激シャンプーをスポンジや泡立てネットなどで泡立て、たっぷりの泡で優しく、手早く洗う。泡が汚れを浮かします。(冬場は39℃まで水温を上げても大丈夫です)
2. 二度洗いする。(1では、サッと軽く洗い、2では、しっかり手早く洗います)
3. シャンプー剤をしっかりすすぐ。シャワーヘッドを皮膚に密着させてすすぐと、毛の根元からシャンプー剤や汚れが流れ落ちます。
4. リンス(トリートメントなど)をして、しっかりすすぐ。すすぎが悪いと、リンス剤そのものが汚れになり、皮膚の炎症を引き起こす原因になるときも。ただ、老犬には時短が良いので、リンス不要のシャンプーを使うのがおすすめです。
5. タオルドライをしっかりする。ドライヤーの時間を短くできます。吸水性の高いタオルを利用しましょう。
6. 毛の根元からしっかり手早くドライヤーで乾かします。
【関連記事】
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部分浴についての説明があります。
愛犬の負担を軽くする8つのポイント
1. 愛犬の毛玉がひどいときは、シャンプー前に切るか、毛玉にリンスをつけてほぐしてからシャンプーを。
2. 犬の足元には、滑り止めマットやバスタオルを敷いて滑らないようにして、足腰の負担を減らしましょう。安全のため、可能ならフセやオスワリをさせた状態で洗うのがおすすめです。
3. 顔にシャワーをかけられるのを嫌がる愛犬には、スポンジを利用してみましょう。シャワーは体から離さないようにすると水しぶきが飛びません。
4. シャンプー後、耳が濡れていたら、目に見えている耳のひだ部分の水分だけを柔らかいコットンで優しく拭きます。犬はヒトより皮膚が薄いため、耳の中を綿棒などで掃除しないようにしましょう。耳の中の水は、犬が頭をブルブルとして自然に外に排出されます。
5. ドライヤーの風は弱風の温風で。火傷することもあるので、毛から30センチほど離し、同じ部位ばかりに風を当てないようにしましょう。
6. バスタオルを犬の体にかぶせて、タオルと体の間に温風を入れ、温風を逃がさないようにすると早く乾きます。息苦しくなっていないか、温度が上がりすぎていないか確認しながら乾かしましょう。
7. 汚れやすいお腹や陰部、足先などは、日頃からこまめにちょこちょこ洗い。全身を洗う回数を減らします。洗い流さなくてよいシャンプーでも負担は減らせますね。
8. トリートメントスプレーやローションを使って、フケや乾燥を防ぎ、静電気を抑えて毛玉を予防。毛玉をほぐす作業は犬にもヒトにも負担になるので、長毛の犬は、このような工夫でなるべく日常で毛玉をつくらないようするのもポイントです。
まとめ
1度で全部をきれいにしようと完璧を目指すのではなく、愛犬のストレスになりそうだなと思ったときは、その手前でやめることが大切です。「今回、洗えなかったところは、次回にしよう」「後日、部分洗いか洗い流さなくてよいシャンプーで簡単にすませよう」という意識でじゅうぶんです。
またトリミング犬種の場合は、若くて元気なうちから大好きなトリマーやサロンを見つけておくとよいでしょう。愛犬と飼い主とトリマーの信頼関係を深めておけば、愛犬と飼い主の負担も減ります。また、いざというときの段取り、連携方法などについてもサロンと確認をしておきましょう。老犬の場合は「何が起きるかわからない」という心づもりをしておくことが大切です。
できれば10歳頃から、フセやオスワリさせて洗う練習をしておくと、その後のシニア期を楽しく乗り切る前準備となります。理想はもっと若いときから自宅で洗うことを練習しておくと良いですね。
高齢の愛犬のケアはどうしたらいいのだろう、と心配するより、知識を蓄え、心の準備をすることで、お世話をする側のストレスを減らすことにもなります。愛犬と一緒に楽しみながらケアをしてあげましょう。