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犬がアスパラガスを食べるのは大丈夫?最適な量や与え方と簡単レシピ
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アスパラガスは、栄養や味はもちろん食感も特徴的で、彩りを添える食材としても人間の料理に取り入れられることが多い野菜です。
犬に与えてよいのかどうか、アスパラガスの成分にはさまざまな情報があるので不安に感じる飼い主さんも多いようです。
そこで今回は、がん予防、老化防止、疲労回復などにも効果が期待できる栄養素を持つ野菜、アスパラガスに注目し、注目成分、犬への与え方の注意点、簡単レシピを紹介します。
犬にアスパラガスを与えても大丈夫?
犬には生ではなく、過熱して適量であれば、穂先、茎、はかまなど、どの部位も問題なく与えることができます。
アスパラガスはキジカクシ科クサスギカズラ属に分類され、旬は5月~6月。通常、ビタミン類は加熱すると壊れやすいのですが、アスパラガスのビタミン類は茹でても栄養成分が失われにくいという特長があります。パートナーには、茹でたものをオヤツ代わりに与えてもよいでしょう。シャキシャキした食感の楽しさは、犬にも伝わるかもしれませんね。
総じてビタミンやミネラルが豊富で、細胞やエネルギーを作ることに役立つ栄養素が豊富です。老化防止や免疫力の維持といった面でもぜひ利用したい食材です。
アスパラガスの栄養素
アスパラガスには愛犬に与える価値のある栄養素がたくさん含まれています。注目成分をご紹介します。ただ体によい栄養素が豊富といっても、栄養のバランスや犬の食性を考えると1日に与えられる量はほんのわずか(後述)。大量に与えると反対に健康を害することにつながるので注意しましょう。
アスパラギン酸
アスパラガスに含まれる機能性成分で、新陳代謝を活発にし、疲労回復の効果が期待できるアミノ酸の一種。旨み成分でもある。とくに穂先に多く含まれる。
ルチン
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用がある。またアスパラギン酸の吸収を助ける。
βカロテン
強力な抗酸化栄養素。細胞を守る働きがあることから、がん予防や免疫力の維持が期待できる。細胞膜の酸化を防ぐので、細胞が傷つくことや老化を遅らせるといわれる。細胞膜がしっかりしていることは、がん細胞の発生や攻撃を防ぐことにつながる。
カリウム
利尿作用がある。
葉酸
血液を構成する成分の材料となる栄養素。
その他、ビタミン類(B、C、E)なども豊富。お肌にもよい栄養素なので私たち人間もぜひ食べたい野菜です。
ホワイトアスパラとグリーンアスパラは栽培方法に違いがあり、陽を浴びて育ったグリーンアスパラのほうがの方が栄養豊富です。とくに注目される成分アスパラギン酸は、疲労物質である乳酸を分解しエネルギーに変えるため、疲労回復の栄養素と呼ばれています。さらに、グルタミン酸のような旨み成分でもあります。だからシンプルに茹でただけでも美味しく感じるわけですね。犬の食事も、美味しくて機能成分が豊富なアスパラガスを加えることで、食べる喜びと健康な毎日のサポートが期待できます。
アスパラガスの選び方と保存方法
それでは、実際にはどんなアスパラガスを選ぶとよいのでしょう。
選び方
穂先が締まっていて、茎が太くまっすぐなもの。栄養状態が良く美味しいといわれます。
保存法
購入後、早めに使用するのが良いですが、数日間保存する場合は、湿らせたキッチンペーパーなどで包み、冷蔵庫に立てて保存します。立てるときには牛乳パックの空き箱などが使えます。生えていた状態で保存するのがいいので立てて保存することがポイントです。
アスパラガスの与え方と量とは?
基本的には茹でてから刻んで与えます。量の目安は体重4kgなら細いもの1本もしくは10g程度まで。よい栄養素が豊富だからといって、アスパラガスだけを毎日与え続けるのは良くありません。与えるときは、野菜類の1素材として使用します。どの野菜にでもいえることですが、与え過ぎには気をつけましょう。食べ過ぎると、下痢・軟便や栄養バランスの崩れ、アルカロイドの中毒症状(震え、嘔吐など)が起きる可能性もあります。
人間よりかなり小さい小型犬などにはとくに、与えすぎに気をつけましょう。少なすぎるかな、と思う量(10g程度)でちょうどいいくらいです。
愛犬のことをよく観察し、量の加減をしてあげましょう。
犬にアスパラガスを与えるときに注意すること
すべての素材に言えることですが、同じ素材のみを大量にあるいは、毎日食べ続けることは栄養のバランスを崩すことになります。
とくに犬の食性から、肉よりも野菜をたくさん与えると、尿がアルカリ性に偏ります。これは結石ができやすくなる原因になりますし、繊維質の大量摂取は下痢などの症状がみられるなど消化器官への負担が大きくなる可能性があり、健康を害する心配があります。
中毒物質アルカロイドとは?
生のアスパラガスは、わずかながらもアルカロイドという中毒性物質を含むため、生で与えることは控えましょう。アルカロイドは、植物が、実が熟す前に動物に食べられないように身を守るための成分。ただ、アスパラガスに含まれるアルカロイドはたいへん微量であり、苦味のある植物にはたいてい含まれています。適量を過熱して与えれば心配はいりません。アルカロイドの中毒症状は、震えや嘔吐など、神経に作用します。もし、アスパラガスを大量に与えてしまって、そういう症状がでた場合は、急いで動物病院に連れて行きましょう。
猫には与えないこと
猫は犬よりもアルカロイドに敏感で、禁忌(食べさせてはいけない食材)とされています。アスパラガスは猫に与えてはいけません。犬猫が同居している家庭では十分気をつけてください。
アルカロイドを含む他の食材
ナス、トマトのほかジャガイモの青い皮や芽にも含まれています。アスパラガス含め、これらの野菜を使う際、茹でたお湯は捨てる、またはアクを取ることで減らせます。生で与えることは控えましょう。アスパラガスを調理するときには、アスパラガスの茹で汁は使わないようにすると安心です。
中毒を避けるためにできること
- 量を控えめにする
- 生で与えない
- 茹でて、茹で汁やアクは捨てる
アスパラガスを使った簡単レシピ
アスパラガスに含まれるβカロテンは、加熱しても壊れにくいばかりか抗酸化力が増します。油との相性がよいので、シンプルに炒めたものをお肉主体の食事にトッピングしてもいいですね。
アスパラガスを牛肉や豚肉などで肉巻きにするのもオススメ。家族の分と一緒に作って、味付け前のもの分けてあげれば手軽ですね。野菜は細かくし消化しやすくしてあげるのが良いですが、ときには食べやすい大きさで歯ごたえが残るものも、犬たちの喜びとなってよいでしょう。
まとめ
アスパラガスは、疲労回復や新陳代謝、利尿作用などの機能性成分がたっぷり。なにより犬たちの嗜好性もよいのでぜひ食事に取り入れたい野菜のひとつです。
ただし、犬に与える場合には、生で与えたり大量に与えてはいけません。お腹が弱い犬には、できるだけ細かくしてあげると消化しやすくなります。愛犬のことをよく観察し、アスパラガスの味覚を楽しみ、栄養をうまく吸収できるよう、個体に合わせて与えることが重要です。
微量とはいえアルカロイドという中毒症状を引き起こす成分も入っています。愛犬に合った適量を与えることで、食べる喜びと健康を共有しましょう。
※この記事はドッグジャーナリストの白石 花絵(しらいし かえ)さんが取材・ライティングした原稿を元にGREEN DOG & CAT ライフナビ編集部が編集しお届けしています。
フードやサプリメント選びにお困りの際は、GREEN DOG & CATのごはんの窓口にお気軽にお問合せください。