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犬にも食物繊維は必要?腸の健康を保つおすすめ食材5つと上手な与え方
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野菜を上手に摂取し腸内環境を整えることは健康維持に必須条件といえます。今回は、愛犬の長の健康維持のために与えたい野菜やそのほかの食材選びのポイント、犬にとって与えやすい食物繊維源についてご紹介します。
犬は食物繊維を消化できないって本当?
犬の腸は肉などの動物性タンパク質が豊富な食べ物の消化吸収が得意なため、犬を始めとする肉食動物は草食動物よりも腸が短い傾向にあります。
草食動物のように長い腸で微生物による発酵を利用して消化吸収するしくみではありません。
そのため、食物繊維でできている野菜の細胞壁の中にある豊富な栄養素を消化吸収することが難しいのです。
愛犬に野菜を与える際にはちょっとした工夫が必要です。
健康を保つためには犬の食性に合った動物性タンパク質を主体とした食事が基本ですが、野菜も摂取の仕方次第で体のコンディションを整えてくれる犬にとっては欠かせないものです。
少量の食物繊維は、便秘の予防・解消や、腸内細菌のバランスを整えるなど、犬の腸の健康を保つのに重要な働きをします。犬には、ドライフードの原料としても使われるビートパルプなどの中程度の発酵性をもつ食物繊維がおすすめです。野菜に含まれるペクチンなどの食物繊維は、他の繊維質をバランスよく摂取することで中程度の発酵性となり、犬の腸の健康維持に役立ちます。
動物性タンパク質が主体の食事に、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、さらに食物繊維を含む野菜を少量加えることで、動物性タンパク源だけでは不足しがちな栄養バランスをとりながら、腸の健康も保つことができます。
犬の腸の健康を保つおすすめ食材や与え方
腸内環境を良くすることは、体全体の健康に繋がります。ですが肉類が欠かせない食事が適している犬に野菜を与えるときにはちょっとした工夫が必要。
そこで、犬の腸の健康を保つのに役立つおすすめの食材と、上手な工夫の仕方をご紹介します。日常で簡単にでるものばかりですのでぜひ取り入れてみましょう。
おすすめの野菜や果物
キャベツ
キャベツには、胃腸粘膜の健康維持に優れたビタミンU(キャベジン)が含まれています。強い抗酸化力で免疫力維持に欠かせないビタミンCも豊富です。どちらも芯の部分に多く含まれています。熱に弱い栄養素なので、生で細かく刻んで与えるとドライフードだけでは不足しがちな食物酵素の摂取にも役立ちます。太り気味の愛犬(愛犬)へのかさ増しとしても利用しやすい野菜です。繊維質が多く、大量に与えると消化不良を起こす可能性があるので胃腸が弱い愛犬は注意しましょう。
りんご
りんごに含まれるペクチンは、腸内の善玉菌を活性化し、悪玉菌の繁殖を抑えます。腸内環境が整うことで栄養の吸収率がアップするため、免疫力の向上のためにも取り入れたい食材です。ペクチンや強い抗酸化作用をもつポリフェノールは、皮の部分に豊富に含まれているため、よく洗って皮ごとすりおろして与えると栄養を最大限に利用できます。乳酸菌(善玉菌の一種)が豊富な食材であるヨーグルトと一緒にあげるのもおすすめです。
腸の健康に役立つその他の食材
納豆
納豆をはじめとした発酵食品には、腸内環境を整える善玉菌が多く含まれています。特に納豆に含まれる納豆菌は腸内の善玉菌を元気にする作用が強く、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌よりも長くその効果を発揮します。さらに納豆に含まれる酵素(ナットウキナーゼ)は、タンパク質分解酵素が豊富なので消化のサポートが期待できます。ひき割りが一番消化に良く胃腸に負担をかけない食べ方です。酵素は熱に弱いので、加熱せず生のまま与えるのがおすすめです。
海藻類
ワカメや昆布などの海藻類には、水溶性食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。腸内環境の改善はもちろん、手作り食の栄養補助としても役立ちます。犬にとって消化が良い食べ物ではないので、だしとして利用する方法がおすすめです。ドライフードを食べている愛犬にも、栄養補給と水分補給を兼ねて海藻でとっただしを少量かけてあげましょう。海藻類はヨウ素(ヨード)を多く含むため、甲状腺にトラブルがある愛犬に与える場合は獣医師に相談しましょう。
ローズヒップ(ハーブ)
ハーブ(薬用植物)の中には、便秘解消や傷ついた腸粘膜の保護に役立つものがたくさんあります。便秘解消にはローズヒップがおすすめ。ペクチンが腸内細菌の働きを良くし、植物酸との相乗効果で穏やかに腸に働きかけます。また、ローズヒップはビタミンCの爆弾とも呼ばれ、レモンの20~40倍ものビタミンCを含んでいます。愛犬へは、ハーブティー(冷ましたもの)か粉末タイプのものを少量ご飯にかけて与えます。大量に与えると、お腹が緩くなることがあるので注意しましょう。
ポイント:野菜の与え方
・生のまま与える場合は、細かく刻む、すりおろす
・加熱して与える場合は、柔らかく煮込む、煮汁ごとミキサーにかける
ドッグフードに少量の野菜をトッピングしたり、手作りフードにしたり(見た目の分量が動物性タンパク質6:野菜4の割合)もおすすめです。
まとめ
腸内環境が悪いと、腸壁から有害物質が吸収されて全身をめぐります。つまり、腸内環境を整えることは全身を健康にみちびくこと。
野菜に含まれる食物繊維は、善玉菌のえさとなって腸内の善玉菌を元気にしたり、腸内の有害物質などを吸着して体外に排出する働きをします。愛犬の腸の健康のために、消化しやすい繊維質を含む野菜を積極的に摂取するとよいでしょう。
ただし、犬には犬の食性にあった動物性タンパク質が必要です。野菜ばかり多く与えることは避けましょう。ドライフードを与えている場合はトッピングとして、手作り食を与えている場合は動物性タンパク質とのバランスに気を付けて活用しましょう。
※この記事はペットサロン*Small Sky*主宰、ホリスティックケア・カウンセラーの大屋 恵美さんに取材した記事をGREEN DOG & CAT ライフナビ編集部が編集しお届けしています。