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そのしぐさ、ストレスのサインかも。ストレスを感じている犬の行動とは
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愛犬の問題行動に繋がったり、健康を害してしまったりするといわれるストレス。犬のサインを読み取る方法と、愛犬のストレス解消法についてお届けします。
ストレスってなに?

ストレスとストレス反応の関係は、よく風船に例えられます。膨らんだ風船があなたの心だとしましょう。風船を指で押して圧力(ストレスの要因)をかけると中の空気が反発して元に戻ろうと(ストレス反応)します。押して圧力をかけ続けると風船は歪んだままになりますね。これがストレスがかかった状態=心身に負荷がかかった状態です。風船を押す圧力と元に戻ろうとする反発をあわせてストレスと呼びます。つまり、外部の環境や精神的な緊張などで心身の状態が乱れることや、それを元に戻そうとする反応のことです。
犬がストレスに感じること
人と一緒に暮らす犬がストレスに感じることは、実はたくさんあります。特に人にとっては身近すぎて気付きにくい原因を4つご紹介します。
- 暑さ寒さ、明るさ、匂い、騒音、家族の変化など
- パソコンのブルーライト、悪臭、日常で浴びる以上の紫外線など
- 空腹、喉の渇き、尿意の我慢、痒み、疲労、運動不足、病気など
- 不安、緊張、興奮、不満、孤独、自信喪失など
人間と犬では心地良いと感じる程度に差があるため、私たちが快適に過ごせる条件でも犬にとってはそうではないことがあります。
たとえば、犬は暗がりの方がよく見える動物です。室内の明るすぎる照明は犬にとってあまり好ましくありません。明るい照明から身を隠す場所や部屋を移動する自由があるか確認してみましょう。
犬は、匂いの種類によって、最大で人の約1億倍の嗅覚を持つといわれます。眠いときの犬の鼻は乾いていますね。心地良く眠るためには、匂いをシャットダウンする必要があるからです。愛犬のベッド付近に芳香剤などを置かないほうが犬は快適に過ごせます。
人の数倍の高音域が聞こえる犬。テレビや声の音量だけでなく家電や電子機器からの金属音など、犬にとって不快な音は、愛犬のストレスになっていることがあります。
人よりも聴覚や嗅覚が敏感な犬たちは、私たちが感じている世界とはまったく違う世界で生きていると理解してあげましょう。
普段なにげなく犬たちにしている行動。実は、犬のストレスの原因になっていることがあります。次のリストに、思い当たることがないか確認してみましょう。
あてはまったら要注意!犬がストレスを感じる人の行動
- 犬の真正面から近づく、犬の目をじっと見る、正面から手を出す、きつい声で呼ぶなど
- リードをピンと張ったまま犬に前を歩かせる、リードを過剰に引っぱるなど
- ルールのない生活、一貫性のない態度など
社会的動物である犬は、群れのルールを守ることで秩序のある生活を保っています。一定のルールがない生活はかえって安心できず、犬はストレスを感じます。たとえば、人がお出かけの装いをしたときには飛びつかせないルールを守らせるのに、ジーンズの時には飛びついても許してしまうなど、人の都合や家族の中でルールを変えないようにしましょう。
家庭や散歩でのルール作りに加え、一貫性のある態度は愛犬との信頼関係を築くためにはとても大切。いつでも一貫性を持って接すると、愛犬は何を望まれているのかをとてもよく理解してくれます。そして愛する愛犬に対する過度なストレスを防ぐこともできますね。
犬のストレスのサイン

犬のストレスのサインは、何気ないしぐさの中に現れます。あくびをしたり、鼻先を舐めるしぐさは、周囲が緊張状態にあると感じたときに、犬自身が自分の緊張や不安を緩めたり、周囲の緊張を解きほぐそうとして行うしぐさです。
このようなしぐさはカーミングシグナルと呼ばれています。オオカミや犬が生まれつき持つコミュニケーション方法の一つで、世界中の全ての犬の共通言語といわれています。
カーミングシグナルは、犬自身の不安や恐怖、不快なことを静めたり、相手を落ち着かせたり、相手に友好的であることを知らせたりするためにも使われます。
カーミングシグナルの使い方

病院や知らない場所、人や犬が多い場所など、愛犬がストレスを感じている場面では、飼い主がカーミングシグナルを発することで、愛犬のストレスを軽減することができます。
このシグナルは、愛犬との日常の関係を深めるのにとても役立ちます。愛犬と「会話する」つもりで、犬がよく使うしぐさを飼い主自身も試してみましょう!
愛犬が顔や体の向きを変える時の気持ち
愛犬が顔や体の向きを変えるのは、次のような気持ちを伝えたいときです。
・「あまりしつこくしないで」
・「怒ってるの?なんかイヤな感じ」
・「強引なことはやめて!」
飼い主も、以下のような意図で同じ仕草を使うことができます。
・「嫌なことはしないから自由にしてね」
・「その行動はやめて!」
どんなシーンで使う?
例えば、愛犬が勢いよく飛びついてきたり、おねだりをしてくるときには、飼い主が犬に背中を向けてみましょう。これを繰り返すことで、愛犬は「これはダメなんだ」と気づいてくれるようになります。
愛犬が目をそらすとき
愛犬が目をそらすのは、次のような気持ちを伝えているときです。
・「怖いよ!」
・「なんだか落ち着かない!」
飼い主も、以下のような意図で目をそらす仕草を使うことができます。
・「嫌われるようなことはしませんので、友達になりませんか」
どんなシーンで使う?
特に初対面の犬に近づくときは、真正面から目を見つめると犬が怖がることがあります。軽く目をそらしてから近づくと良いでしょう。
愛犬があくびをするとき
愛犬があくびをするのは、次のような気持ちを伝えているときです。
・「あー緊張する!」
・「ちょっとイライラするかも」
飼い主も、以下のような意図で同じ仕草を使うことができます。
・「そんなに緊張しないで。大丈夫だよ」
・「まったく問題ないから安心して」「のんびりしようよ」
どんなシーンで使う?
動物病院の待合室で、愛犬があくびをしたときに、飼い主も一緒にあくびをしてリラックスした様子を見せてあげましょう。
愛犬がゆっくり動いたり、カーブを描きながら近づくとき
愛犬がゆっくり動き、カーブを描きながら近づくのは、次のような気持ちを伝えているときです。
・「怒ってる?」
・「そんなに急かさないで!」
・「判断中。ちょっと待って!」
飼い主は、以下のような意図でこの動き方を使うことができます。
・「ちょっと動くけど、そのままリラックスしていてね」
どんなシーンで使う?
他の犬に近づくときに、飼い主がリードを緩め、愛犬が自然にカーブを描きながら歩けるようにすると、愛犬も相手の犬と仲良く挨拶しやすくなります。
愛犬が低い姿勢で尻尾を振るとき
低い姿勢で尻尾を振るのは、次のような気持ちを伝えているときです。
・「怒ってるの?」
・「笑って!」
・「仲良くしようよ」
・「降参!」
飼い主も、以下のような意図で低い姿勢を使うことができます。
・「もう好きにしていいよ。参りました」
どんなシーンで使う?
飼い主は尻尾を振ることはできませんが、床に這うくらい低い姿勢を取ると、ドッグランなどで離れて捕まえられなくなった犬が近づいてきます。
愛犬が間に割って入るとき
・「ここには近づかないで」
・「絶対にケンカはしないでね」
・「守ってあげる」と伝えています。
飼い主は、以下のような意図でこの動き方を使うことができます。
・「そっちは気にしないで」
・「ここは私にまかせて!」
・「もう安心してね」
どんなシーンで使う?
愛犬が人や犬や物に興奮し、怯えているとき。対象から引き離そうと引っ張るよりもストレスを感じさせず、簡単にできますね。その際は愛犬の正面に割って入ってしまうと圧迫感を与えてしまうため、飼い主の背中側に愛犬がくるようにしましょう。
犬には犬の共通の言語があります。それを私たちが真似することで、愛犬は「自分のメッセージを理解してくれている」と感じることができます。それは人間と犬の信頼関係にも大きな影響を与えること。一方通行ではなく、相互のコミュニケーションをとることで犬のストレスも軽減されることでしょう。
愛犬のストレスの緩和に役立つこと
社会の中で生きている限り、人も犬もストレスが全くない生活を送ることは、残念ながらできません。
けれど、人と犬のストレスの大きな違いは、犬の場合、人間が作り出したストレスの原因から逃れる術(すべ)を持たないことが多く、人間のように自ら積極的に乗り越えることもできないことです。そうなると、その苦しみが問題行動などとして出てくることがあるのです。
愛犬のストレスケアでは、ストレスが過度にならないようにできるだけ原因を取り除くことはもちろんですが、愛犬に楽しい経験を増やしてあげることがとても大切。プラスの経験を増やしてあげることで、ストレスを軽減させることができるという考えがあります。
犬が心身ともに健やかに暮らしていけるように、私たちが何をしてあげれば愛犬に楽しい経験をさせてあげられるでしょう。次の3つをぜひ試してみてください。
1.運動
人に比べて高い運動能力を持つ犬たち。多くの活動量が必要です。散歩の回数を増やしたり、距離を長くしたり、定期的にコースを変えるなどの散歩の工夫はもちろん、ボールやおもちゃなどを使った少しハードな運動と、隠した物を探すなど頭を使った遊びとを組み合わせると、欲求不満が解消されます。
ただし、運動のしすぎもストレスとなりますので、ハァハァした状態が続いていないか、休憩したがっていないかなど、様子を見ながら愛犬に合わせた運動量にしましょう。特に子犬、シニア犬、体力が落ちている犬には注意してあげてくださいね。
2.さまざまな経験
適度な良い刺激は、犬の適応力をあげてストレスへの対処能力を高めます。犬の社会を経験させるために、積極的に犬種や大きさが違う犬たちと交流をさせてあげましょう。
また、人間の社会を経験させるためにも、マナーを守って色々な場所に連れて行きましょう。慣れていない場所や音でも、あなたがリラックスしていれば一緒にリラックスしていいのだ、と経験から学んでいきます。
さまざまな経験や学習をしている犬は自信を持ち、多くの場面で落ち着いていられます。ドッグカフェに出かけたり、公園で犬友達を増やしたり、あなたと一緒に楽しみながら経験することが愛犬にとって一番のストレス解消になるはずです。
3.リラックス
通常動物はストレスを受けたときにコルチゾンとアドレナリンという神経伝達物質が分泌され、血圧を上昇させたり心臓の鼓動を早くさせたりして、動物が恐怖に直面したときの状態「臨戦態勢」となります。これは交感神経が優位で緊張している状態、この逆の副交感神経が優位になっているときはリラックスできている状態です。
そのためにブラッシングやマッサージを行いながら、犬が気持ちがよいと感じる状態をつくってあげましょう。こういった触れ合いでは、愛犬と飼い主の両方にオキシトシンという幸せホルモンが出ることがわかっています。
太陽を浴びることも大事です。1日5分の日光浴はセロトニンというリラックスと関連深い神経伝達物質の分泌を促すことができます。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸の一種が原料になっています。栄養のバランスを見つつ、たまには新鮮で良質のたんぱく質であるお肉やお魚を調理してあげてください。卵も素晴らしいタンパク質です。
4.よく噛む
犬科の動物は野生で狩りをし、そして獲物を長時間にわたり食します。そしてよく噛み、ゆっくりとした時間を過ごします。今、多くの犬が食べているドッグフードは早ければ5分、通常であっても15分ほどで食べ終わってしまいます。だからと言って多くの量を与えることもできないので、大きめの犬ガムのように長時間噛めるものを与えると良いです。ただし、大量に食べることは避けたいので、あるていど噛んだらフードの粒や他のおやつと交換しましょう)噛むことに興味がなければ、舐める時間を増やします。広い皿や下敷きのようなものに薄くウェットフード(フードをふやかしたものも可)を塗り付けたものをおやつ代わりに与えます。
愛犬のストレスケアに役立つ商品
運動でストレス解消してあげたくても、何らかの事情で散歩の時間が少なくなってしまうこともあります。そんな時には以下の方法で少しでもストレスを減らしてあげませんか。
まとめ
犬は心も体も敏感な生き物です。私たちが想像する以上に、一緒にいる私たちの様子を良く観察しています。
私たちが精神的なバランスを保ち毎日を楽しくリラックスして過ごせば、その様子を見た愛犬も一緒にリラックスすることができます。安定した態度や精神状態で日々愛犬に接することができれば、愛犬が日常で感じるストレスをかなり少なくできることでしょう。
たとえば、辛い出来事があった日。寄り添う愛犬のぬくもりに癒されたことがある人もいることでしょう。愛犬が幸せそうに日向ぼっこする姿をみて、少しだけ心配事を忘れられた人もいるのではないでしょうか。
犬はその存在だけで私たちの心を癒すパワーを持っています。私たちも愛犬にとって、寄り添っているだけで安心できる存在でありたいですね。