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雨の日もストレス発散!愛犬と室内で楽しく&賢く遊ぶためのポイントとは
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雨の日はどうしても散歩に行くのが億劫になるものです。そのため愛犬が運動不足になってしまったり、ストレスフルになってしまったりすることも少なくありません。
だからこそ知っておきたいのが、室内で上手に愛犬を遊ばせるコツや注意点です。今回はGREEN DOG & CATトレーナーの遠藤が、室内で犬と遊ぶことがなぜ重要なのか、その理由と上手な遊び方、注意点についてご紹介します。
室内で愛犬と遊ぶことが重要な理由
室内での愛犬との遊びが重要な理由を紐解くためには、まず『なぜ愛犬に散歩が必要なのか』という点を把握しておく必要があります。
犬種に関係なく、基本的に散歩は愛犬にとって不可欠なものであり、できれば毎日連れて行ってあげることが理想です。散歩が不可欠な理由は大きくふたつあります。
1. 運動不足の解消
2. さまざまな刺激が得られる
1. 運動不足の解消
犬はもともと外を駆け回る生き物です。そのため室内の生活だけでは運動不足になってしまうことがほとんどです。
飼い主さんのなかには「家の中でしっかり排泄しているので散歩には行かない」「排泄したらすぐに帰宅する」という方もいらっしゃいますが、基本的には犬種や年齢に適した運動量が確保できるよう、散歩の時間を確保してあげることが理想です。どれくらいの運動量がよいのかについては、かかりつけの獣医師やトレーナーなどに相談してみましょう。
運動不足は肥満につながるだけでなく、ストレス行動の原因となる可能性もあるため、しっかり散歩に連れて行ってあげることが大切です。
2. さまざまな刺激が得られる
車の音や花の匂い、踏みしめる土の感覚など、屋外は室内にはない、さまざまな刺激にあふれています。愛犬が視覚・聴覚・嗅覚・触覚などでこれらの刺激を感じることはストレスの軽減、ひいては犬の生活を豊かにすることにつながります。
犬のように知能の高い動物にとって、いちばんのストレスは退屈することです。散歩に行けないということは、散歩に行く日よりも刺激が少なく、退屈しやすいということ。愛犬の生活の質の向上にも、また退屈対策にも、散歩はうってつけの方法だといえます。
飼い主と接する時間が減ることもデメリットのひとつ
また愛犬にとっては、飼い主と一緒に何かをする時間が減ってしまうこともデメリットのひとつとなります。
犬は社会性が高い動物です。そのため一頭で何かをするよりも、近しい関係にある他者と関わることに喜びを感じる傾向にあります。もちろん、ただ一緒にいるだけでも愛犬は喜びを感じていると思いますが、散歩など犬とともに何かをしたりかまってあげたりすることのほうが、より愛犬の生活の質の向上につながります。そのため、できれば雨の日もレインコートなどを利用して、可能な限り散歩に行ってあげましょう。
しかし、雨が強い日などどうしても散歩に行けない日もありますよね。そんな時、散歩の代わりに運動不足やストレス解消の手段となるのが室内での遊びなのです。
犬のストレスを発散させる室内のおすすめ遊び方
室内は屋外に比べてスペースが限られていますし、できる遊びにも限度があります。そこで、愛犬とのおすすめの室内の遊び方についてご紹介します。
体を動かす室内の遊び
ある程度広い空間が確保できる場合は、おもちゃなどを投げてそれを愛犬に取ってきてもらう「レトリーブ」がおすすめです。運動量の確保はもちろん、ストレス解消にもなります。
ただ、レトリーブできるほど広いスペースを室内で確保するのは難しいもの。そんな時は引っ張りっこゲームがおすすめです。その名の通り、おもちゃなどを犬と引っ張り合ってストレス発散させる遊びで、それほど広いスペースが確保できなくても楽しむことができます。
引っ張りっこゲームの際には、すぐに千切れてしまわないものや誤飲しない大きさのものなどを使用するようにしましょう。また、犬が間違って人の肌に歯を当てることのないよう、人が持つ部分と犬がくわえる部分とが被らないだけの長さがあるものを選びましょう。ロープ付きのおもちゃなどがおすすめです。
頭を使う室内の遊び
多くのトレーナーがよく行っているのは、頭を使わせるゲームです。特におすすめしたいのが、嗅覚を使ってフードやおやつ、おもちゃを探させる宝探しゲーム(探索ゲーム)です。
宝探しゲームとは、犬が見ていない間に飼い主がこれらを室内のどこかに隠し、愛犬にそれを探させる遊びです。できればおもちゃがよいですが、愛犬が気乗りしない場合はフードやおやつを使います。
愛犬がある程度宝探しゲームに慣れてきたら、次は特定のアイテムに特定のニオイをつけて探させるようにしましょう。見つけたらご褒美にフードやおやつをあげます。使用するアイテムは普段遊んでいるおもちゃではなく、できれば宝探しゲーム専用のものを用意しましょう。ニオイをつけやすい小さめの布切れなどがおすすめです。慣れてくれば、そのアイテムを取り出すだけで愛犬は「宝探しゲームをするんだな」と直感するようになります。
宝探しゲームをおすすめしたい理由
犬は特に嗅覚の発達した動物です。発達している部位を積極的に使わせてあげることは、脳に良い刺激を与えることにつながります。なにより、犬としての本能からくるニーズを満たしてあげることができます。また前述した体を動かす遊びよりも激しい動きを必要としないため、近所に迷惑をかけにくいというのもひとつのポイントです。
宝探しゲーム以外に頭を使うゲーム
同じく愛犬に頭を使わせる遊びとして、シェイピングゲーム(クリッカーゲーム)というものがあります。クリッカーとは、指で押すとカチッと音が出る道具で、犬が取った行動(選んだ行動)が正解であることを犬自身に伝えるアイテムです。このクリッカーを使うことで、犬に自ら考えることを促すことができるのです。
クリッカーの使い方については「パートナーにあったしつけの方法 お助けアイテム(クリッカー)」をご覧ください。
鼻を使うと犬は疲れる
こちらの項はオウンドメディア「犬のココカラ」に掲載された記事より抜粋しました。
(ライター:三井惇さん ドッグトレーナー)
体を使うのが狩猟本能をくすぐるのであれば、鼻を使ったゲームも嗅覚が自慢の犬にとってはとても楽しいゲームになります。最近は「ノーズワーク」と言われるドッグスポーツが知られるようになってきましたが、専門的に習わなくても犬と手軽に遊べる方法があります。「探し物ゲーム」です。
我が家が「探し物ゲーム」を始めたのは3頭目となる犬を飼い始めた時でした。ボーダー・コリーという犬種はとにかく頭がいいと当時(20年前)から言われていました。そこで子犬の頃から家の中でボールを転がして取りに行かせるゲームをやっていた私は、ボールを追いかけさせるだけでなく、部屋のあちこちに隠して探させるゲームを考えました。
もちろん何を探させるのかわからないと犬も混乱してしまうので、ボールを取りに行く遊びの中で、「ボール」という言葉を教えました。教えると言っても、「これはボールだよ。」と言うのではなく、転がしたボールを指さしながら、「ボールちょうだい。」や「ボール取ってきて。」と言うように「ボール」という固有名詞を入れて呼ぶようにしたのです。
「ボール」という名前を覚えた犬に、次は「ボールは?」や「ボールどこ?」「探して」というような言葉を交えながら隠したボールの近くに犬を誘導して、犬が気づいたときに一緒に喜んでみせたのです。こんなことを繰り返していると、犬は「ボール」と「探す」と言う意味をリンクさせ、最後は別の部屋に隠したボールも探して持って来るようになりました。別の部屋と言うことは当然目視出来ない場所に隠しているので、犬は鼻を使わなくてはみつけられないこともわかっています。
「ウチの犬は鼻を使わないのよ。」とおっしゃる方がいます。「落ちたおやつさえ見つけられない。」とか。犬は動体視力がいいので、最初は目で探します。動いている物には瞬時に反応しますが、一度地面に落ちてしまった物を探そうとするとなかなか見つけられません。そこで、目から鼻にギヤをシフトして匂いを追って探し始めるのですが、匂いは直接犬の鼻の方に向かっては来ません。外であれば当然風に乗って流れていきます。すると犬は流れた先から匂いの元を追って戻ってくるので、遠回りをしてしまうこともあるのです。時間をかけて待ってあげると、必ず正解に辿り着けるので、焦って答えを教えてしまわないことも大事です。
こうして嗅覚を使いながら何かを探してみつける楽しみを覚えると、犬たちは真剣にこのゲームに没頭してくれるようになります。頭だけでなく、鼻を使うことでも犬は大変集中するので運動不足の解消にはもってこいの遊びとも言えるでしょう。
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愛犬と室内で遊ぶ際に気をつけること
屋外で遊ぶ時と同様、室内で遊ぶ際にも気をつけるべきことがあります。ここでは室内で遊ぶ際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。
室内で遊ぶ際の注意点
1. 興奮させすぎない
体を動かす遊びは運動性が高い分、愛犬が興奮しやすく行動のコントロールが難しくなるというデメリットがあります。あまりに長く遊びすぎてしまうと、興奮状態が長く続くため、より飼い主の言葉が耳に入りにくくなります。
また誤って手を噛んでしまうなど、事故につながる可能性も高くなるため、長期間続けないように気を付けましょう。クールダウンを兼ねる意味でも、ひとつの遊びを10分続け、小休止を挟んで次の遊びを10分行うのがおすすめです。
2. 食べ物を与えすぎない
ご褒美にフードやおやつを与える場合は与え過ぎに注意しましょう。食べ物の与え過ぎは愛犬の肥満につながります。
3. 誤飲の恐れがないものや壊れて鋭利にならないものを選ぶ
おもちゃやほかのものを使用する場合、あまりに小さすぎると誤飲につながる恐れがあります。また壊れやすい材質のものは、破損すると愛犬も飼い主も怪我をする恐れが。愛犬の体格などを考えたうえで、誤飲しない大きさのものを選ぶとともに、壊れやすいものは使わないようにしましょう。
4. 物が当たって危険なものは片付けておく
遊びに夢中になりすぎると、おもちゃや愛犬の体などが周りのものに当たって壊れるおそれがあります。壊れて困るようなものや危険なものは、あらかじめ片付けておくようにしましょう。
5. 滑り止め対策を行う
フローリングなど床が滑りやすい素材の場合は、愛犬が滑ってケガをする恐れがあります。また床が滑りやすいと愛犬の足に大きな負担がかかるため、滑り止めを着けたマットを敷いたりワックスをかけたりして、滑り止め対策を行っておきましょう。
6. 飽きさせない
どんな遊びでも、パターン化すると犬も飽きてしまいます。宝の内容を変えたり隠す場所を変えたりして遊びにあきさせないようにしましょう。愛犬の期待や予想を超えるような施策を行うことは、犬にとっても良い刺激となります。
7. ながら遊びは避ける
テレビを見ながら、スマートフォンを触りながらの「ながら遊び」では、愛犬としっかりコミュニケーションを取ることができません。きちんと犬と向き合う姿勢が大切です。また思わぬ事故に繋がる恐れもありますので、遊ぶ際にはテレビなどを消して集中できる環境づくりを心がけましょう。
室内で遊ぶ時間の目安は?
散歩の代替えとして室内で遊ぶ場合は、いつも散歩にかける程度の時間をかけてあげるのがおすすめです。犬種や遊びの内容などにもよりますが、30分から1時間程度を目安にするとよいでしょう。
長い時間同じ遊びを続けないように注意を
愛犬が興奮しすぎないようにするという意味では、ひとつの遊びに長い時間をかけるのはあまりおすすめしません。「興奮させすぎない」でご紹介したとおり、ひとつの遊びを10分間続け、小休止を挟んで新たな遊びを10分行う、という形で遊んであげるのがおすすめです。
これは頭を使う遊びでも同様です。人間同様、犬も長い時間集中力を持続することはできません。長く遊びすぎて集中力がとぎれてしまうと遊ばなくなってしまうので、適度に休憩を入れて遊ぶようにしましょう。
室内で遊ぶ前にしつけておきたいことは?
安全に、かつ楽しく愛犬と遊ぶために、室内で遊ぶ際には愛犬に以下のようなしつけを行っておきましょう。
飼い主の要求に応じて口から出すことを覚えさせる
今回ご紹介した遊びは、いずれも口を使って何かを引っ張ったり、何かを持ってこさせたりするものです。そのため飼い主の要求に応じて、おもちゃなどを口から離すことを覚えさせるようにしましょう。
指示通り口から物を離さないと、犬が興奮しすぎたり、口から物を離さないために飼い主側がストレスを感じたりするため、楽しくスムーズに遊べなくなってしまいます。だからといって無理やり取り上げてしまうと、引っ張り合いの遊びだと思われてしまい、さらに離さなくなってしまう恐れが。あらかじめ「アウト」「ちょうだい」などの指示で、口から物を離すようにしつけておきましょう。
なかなかしつけがうまくいかない場合は、おやつと交換させるとうまくいきやすくなります。ただ、何度も続けるとおやつがなければ口を離さないようになってしまうので、繰り返し行うことは避けましょう。
合図で引っ張り合いをやめさせるようにする
引っ張り合いゲームをする上では、飼い主側がやめたいタイミングで犬に引っ張ることをやめさせるしつけをおこなっておくのがよいでしょう。
しつけるための方法としては、まず飼い主側が「アウト」などの言葉を発するとともに、引っ張るのを中断して動きを止めてしまいます。おもちゃも動かず飼い主が何の反応も示さなくなると、犬も面白くなくなり自然に口からおもちゃを離すようになります。犬が口から離したら、離したことに対するごほうびとして再び引っ張り合いゲームを再開し、また合図とともに引っ張るのをやめる、という動作を繰り返します。
すると、人間の発する合図が引っ張り合いゲームの終了を意味していることが犬の頭の中で関連付けられるようになり、次第に合図を発するだけでゲームをやめるようになります。うまくできない場合は、お近くのしつけ方教室などでドッグトレーナーに相談してみましょう。
テンションをコントロールできるようにする
遊びに夢中になって犬が興奮しすぎないよう、遊びの最中におすわりやふせをさせ、犬のテンションをコントロールできるようにしておきましょう。おすわりやふせを行っているということは、犬が飼い主の言葉に耳を傾けられる状態であるということを表しています。遊びの途中で定期的におすわりやふせをさせ、クールダウンさせるとともに、テンションのON・OFFを飼い主側でコントロールできるようにしましょう。