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老犬だからこそ心配な下痢の症状...原因や症状、対処法について
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老犬(シニア犬のパートナー)とともに暮らしている飼い主さんは、ちょっとした体調の変化に敏感になりますよね。
食欲や運動能力、毎日の排泄などは老犬の健康状態を図る重要なバロメーターです。特に、夏場はお腹を冷やしやすく下痢をしやすい季節。
そこで今回は、老犬だからこそ心配な下痢の症状について、原因と対処法をご紹介します。
老犬が下痢になりやすい3つの理由
シニア期を迎えた老犬は、加齢による腸内環境の悪化や消化機能の衰えによって、軟便や下痢を起こしやすくなります。さらに、ストレスによる体調の変化が、下痢の症状として表われる場合も考えられるようです。ここでは、老犬が下痢になりやすい3つの理由について解説しましょう。
理由その1:腸内環境の悪化
犬の腸内には、ヒトと同様に絨毛(じゅうもう)と呼ばれるひだ状の突起があります。スムーズな消化吸収による健康な排泄を促す役割を果たしています。また、絨毛は腸内細菌のすみかでもあり、特に善玉菌は腸を健康維持に役立ち、腸を健康にします。腸の健康はからだ全体の健康に大切なことです。
しかし、加齢とともに絨毛や善玉菌は減少し、善玉菌に変わって悪玉菌が増殖しやすい環境に変わっていきます。つまり、加齢による腸内環境の悪化によって、お腹の調子を崩しやすくなるのです。
理由その2:消化液の分泌が減少
シニア期は感覚器官の衰えもあり、ちょっとしたことで怖がったり、さびしがったりといった心のストレスが多くなります。消化器系は自律神経の働きによりコントロールされているため、ストレスが続くことで自律神経が誤作動を起こし、消化液の分泌が減少するなど消化吸収の働きが鈍くなります。たとえば、飼い主さんと一緒にいる時間が少ないことがストレスになり、下痢になったというような話は珍しくないのです。
理由その3:体温調節機能の衰え
老犬は、体温調節機能が衰えていきます。例えば、夏場にクーラーのきいた室内で長時間過ごしていると、飼い主の気付かない間にお腹が冷えている場合があります。お腹の冷えは、人間と同様に下痢を起こす原因となりかねません。室内を適切な温度に設定することはもちろん、愛犬の様子を常に気にかけてあげてください。
老犬のお腹をすこやかに保つための注意とサポート
低脂肪で消化吸収のよいフードを選ぶ
加齢によって胃腸の働きが低下している老犬には、低脂肪で消化吸収のよいフードを選ぶとよいでしょう。例えば、成犬用のフードには、しっかりとカロリーを摂るために脂肪分が多く配合されています。しかし、内臓機能が弱っている老犬にとっては、その脂肪分が大きな負担になる可能性が高くなりますので 低脂肪なシニア犬用フードがおすすめです。 さらに13歳以上の場合には、消化器官に配慮した ハイシニア用のドライフードや少し やわらかめのドライフードや ウェットフードを試してみてはいかがでしょう。
また場合によっては 胃腸ケア用フード(療法食)が合うかもしれません。特に獣医師から指定されたフードが無い場合には試してみるといいでしょう。
ただし、食べ慣れたフードを急に替えるのではなく、様子を見ながら徐々に移行していきましょう。いつものフードを柔らかくふやかしてあげるだけでも消化のサポートになります。その際、食欲がなければ少し温かい温度にして匂いをたたせてみてください。
腸内環境を整える栄養素をプラスする
腸の健康維持には乳酸菌、消化のサポートには消化酵素といったものですこやかなお腹を維持するのに役立ちます。現在は、腸内環境を整える物質であるバイオジェニックスの研究が進み、乳酸菌より強力に腸をサポートするサプリメントが開発されています。老犬には 液体タイプ が与えやすいでしょう。
ヒトの健康食ブームのなかでも近年はお腹はもちろん健康寿命のためにも発酵食品が注目されています。もちろん犬にも有益ですが犬に与えるには塩分等が過剰な商品もあるようです。念のために犬用商品から選ぶといいでしょう。老犬にうれしい 関節ケア成分を含むふりかけタイプ なら与えやすいのではないでしょうか。
ハーブの優しいケア
ハーブチンキ(ハーブに含まれる健康に役立つ成分を抽出したもので、精油とは異なります)の中には消化管粘膜にやさしいサポートが期待できるものがあります。ペットのためのハーブの専門家が作った商品にはほんのり甘みととろみがある マシュマロウプラス は老犬に与えやすいものもあります。
愛犬の様子を観察する
老犬の下痢を防ぐためには、愛犬の様子を日頃から注意して観察することが大前提です。観察することで、下痢の症状が表われる前の体調の変化に気付くことができるからです。老犬の下痢は、食生活のほかストレスや環境が原因となる場合があります。老犬は体と心の両面をパピー期と同じように気をつけてあげるべき時期といえます。
老犬が下痢をした時の対処法
老犬の下痢は、体の不調が表われている症状のひとつです。まずは便の形状や色はもちろん、回数や量など下痢の症状を確認することが重要となります。さらに、愛犬の様子にも十分注意してください。
例えば、犬はお腹が痛いときに前足を伸ばしてお尻をつきあげて、遊びに誘う時と同じポーズをする場合があります。その際に、尻尾を内またに巻き込んで震えているときは「お腹が痛い」サインなのですが、これまで見たことがどういう状態なのかわかりにくいかもしれませんね。
ここでは、老犬が下痢をした時の対処法についてご紹介しましょう。
水分補給をこまめにする
下痢は、体に必要な水分を一緒に体外に排出してしまいます。特に老犬は体力ないため、下痢による脱水症状は危険です。下痢をしたときには失われた水分をこまめに補給することが大切です。
老犬は脱水気味であっても自分から積極的に水分補給をしない場合があります。そんな時は、水分を効率よく吸収できる ハイポトニック飲料がおすすめです。 ハイポトニック飲料とは、浸透圧を調節することで吸収しやすい飲み物のことです。水分を摂らせることが難しい状況なら早めに動物病院で相談して点滴の処置をしてもらいましょう。
老犬の下痢症状は自己判断せず獣医師の診断を
急な下痢や何度も繰り返す下痢などを起こしている場合は、決して自己判断せず専門医による診察と治療を受けることが必要となります。下痢の状態には、水溶性の便や粘膜性の便など症状によって違いがあります。どんな状態の便なのかを確認することが必要です。血の混じったような黒っぽい下痢便や鮮血などの症状が見られたら、すぐにかかりつけの動物病院もしくは動物救急病院に連れて行ってください。
まとめ
老犬だからこそ心配な下痢についてご紹介しました。若い頃と異なり、下痢の原因は加齢による消化機能の衰えがあげられます。また、シニア期になると、さまざまな病気にかかる確率が高まります。つまり、老犬の下痢には、重篤な病気の前兆の可能性も考えられるのです。下痢も含めて少しでも愛犬の異変を感じたら、専門医の診断を仰ぐことが重要といえます。
長い年月をともに過ごした愛犬は、飼い主にとってかけがえのない存在ですが、毎日一緒にいることで、変化に気づきにくいことがあります。その点、便は健康状態を知るわかりやすいバロメーターですので今まで以上に観察してください。それと、飼い主の笑顔は愛犬にとって一番の心のケアになります。健康維持には心のケアも必須ですので、笑顔をいっぱい見せてあげてくださいね。