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老犬の夏対策!暑さに負けず元気に過ごす3つの秘訣をご紹介
- フードの与え方
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気温が上がる暑い夏は、人間も犬も体調を崩してしまうことがあります。特に体力が衰え始めた老犬は、熱中症や食欲不振からくる体調不良などを起こしやすくなっています。そこで今回は、シニア期のパートナー(愛犬)が夏を元気に過ごすための対策を、食事や環境などさまざまな面からご紹介します。
老犬は特に暑さ対策が必要!その理由とは
犬はもともと人間よりも暑さ対策が必要な生き物です。犬の皮膚は肉球以外には汗腺が発達しておらず、体温を下げることが人間よりも難しいのです。
さらに犬も人間同様、年をとると感覚器官が鈍くなってきます。自宅で自由に過ごさせている場合、若い犬なら室温の上昇にしたがい、自分で冷たい床の上に移動するなどして体温調節を行います。しかし、老犬は暑さを察知する能力が衰えているため、室温が上がってもそのまま寝続けて、気づいたときには体温が上がり過ぎてしまっていることがあるのです。
老犬には暑さ調整も大きな負担
汗腺が少ない犬が体温を下げるために行うのが、「パンティング」という、口を開けてハアハアと息を弾ませる動作です。
暑さを感じにくくなった老犬は、涼しいところに移動するなど体温調節のための行動が遅れ、体温が上がり過ぎてしまいます。すると、上がり過ぎた体温を下げるため、老犬が急に激しいパンティングを行うことがあります。心臓や肺などの内臓の機能も衰え始めた老犬にとって、筋肉をたくさん使って行うパンディングは、体力を使うため大きな負担になってしまうのです。
8歳を過ぎたら夏対策により注意が必要
暑さや寒さを感じる感覚器官が鈍ってきた老犬にとって、気温の変化は命取りになりかねません。前述の通り若い犬なら自分である程度体温調節できていたものが、年を取るにつれて難しくなってくるからです。
個体差はありますが、小型犬なら7歳から8歳がシニア犬の入り口です。人間と同じように、犬も少しずつ老化が始まります。体重が増えてきた、以前より思い切り走らなくなってきた、動作がゆったりしてきたなどは老化が始まってきたサインです。愛犬が8歳を過ぎたら、夏対策に限らず健康チェックを、よりこまめに行うことをおすすめします。
暑さ対策1 老犬の過ごしやすい環境を整える
老犬は運動量が減り、自宅で寝ている時間が増えます。一日のほとんどの時間を過ごす自宅の環境を整えて、夏も元気に過ごせるようにしてあげましょう。
クーラーで室温を調節!少し涼しいくらいが適温
老犬に限らず、犬を置いて外出する際は空調を入れて室温を調節してあげます。全身に毛のある犬は人間よりも体感温度が高く、人間が暑いと感じた時はかなり苦しい状態にあります。室温は人間が涼しいと感じるくらいがちょうど良いと言われています。
活動期の愛犬なら温度は25度から28度、湿度は60%以下が快適に過ごせる温度です。老犬の場合は若い愛犬よりも冷えやすい場合もあるので、よく観察してください。床で寝ているときは、冷たい空気に触れやすいため、私たちよりも冷えているかもしれません。また足先はリラックスして寝ているときなどは温かいものですので触ってみてください。冷たくなっている場合は、室温を確認してみましょう。
夏でも快適なベッドを使う
ベッドの素材も通気性の良いものに変えるといいでしょう。暑さで蒸れると皮膚炎などのトラブルにつながるおそれがあるためです。リネン(麻)は、サラッとした肌触りが魅力ですが、暑い時期は水分を発散してサラリと涼しく、冷房が効きすぎているなど寒いときにも生地内の空気が断熱材となってくれ冷えすぎるのを防ぐことが期待できます。
また、介護用ベッドには、クッション部分を小さなアーチ型の集まりにすることで、湿気をためず、体をしっかり支え、蒸れや床ずれの防止に役立ちます。
ベッドの置き場所に気をつける
寝ている時間の多い老犬にとって、寝床を快適にしてあげることはとても重要です。まず普段寝ている場所に、直射日光が当たらないかをチェックしましょう。感覚器官が鈍ってきた老犬は、直射日光が当たっていてもそのまま寝ていることがあります。すだれやブラインドを利用して、お気に入りの寝床に直射日光が当たらないように調節してあげましょう。もし、直射日光が当たったまま寝ていることがあれば、涼しい場所に移動させてあげましょう。
暑さ対策2 食事と水
感覚器官が鈍り始めた老犬は、のどの渇きにも鈍感になります。そのため、水をあまり飲まず、水分不足になってしまうことがあるので注意が必要です。さらに、夏の暑さで食欲が落ちる老犬も増えます。食事と水の取り方に注意してあげることも、老犬が夏を元気に過ごすために大切なポイントです。
脱水症状に注意!水分量の目安とは?
犬の一日に摂取するべき水分量の目安として、2種類の計算方法があります。
A:体重(kg)×(50~60)
B:体重(kg)×30+70
たとえば体重5㎏の場合、Aの計算では、250ml~300ml、Bの計算では、220mlです。
老犬といってもまだきっちり散歩などで運動ができるようならAを目安にし、病気など何らかの事情で運動量が少ない、または高齢犬であれば220mlを目安にします。
また、体が大きい大型犬であればBを目安にするといいでしょう。体が大きくなるほど体重当たりに必要とするエネルギー量は小さくなるため、水分量もそれにあるていどは比例するからです。
ただし、あくまで目安ですのでおしっこの量や色などを観察して調整するようにしましょう。
あまり水を飲みたがらない場合は、犬は乳製品に嗜好性が高いため、犬用のミルクや無糖ヨーグルトを水で薄めたものを与えます。味がほとんどなくても、ミルクやヨーグルトの香りがついていると進んで飲むようになります。特に老犬はお腹を冷やしたくないため、できるだけ常温に近い温度で与えるようにしましょう。
また、愛犬が好むものとして鶏肉をゆでたときのゆで汁を製氷器で凍らせておくのもおすすめです。ゆで汁で作った氷を水に溶かしてあげると、鶏肉の風味のお陰ですすんで飲んでくれる愛犬は多いようです。一度にたくさん作っておけば手間も減らせます。
食欲が落ちた時は少量頻回に
夏バテで食欲が落ちた時は、食事の回数を増やして一回の量を減らします。小分けにすることで内臓への負担を減らすことにもつながります。1日2回食の場合なら、一日の総量は同じのまま3回、4回に分けて食べさせてあげましょう。
ドライフードを利用している場合は水でふやかしたり、ウェットフードに変えることも食べやすさから食欲増進につながることがあります。先にご紹介した鶏肉のゆで汁をドライフードにかけてあげるのもおすすめです。ぜひお試しくださいね。
食欲がかなり落ちているときは、一手間かけて手作りしてあげてはいかがでしょう。水分補給に役立つ寒天寄せは、ツルンとのどごしがいいので食欲が落ちているときでも食べやすいようです。食べやすい肉を煮汁とともに寒天で固めておくと食事のトッピングとしても利用できます。ただし、一度にたくさん与えるとやはり下痢の原因にもなるので愛犬の様子をみながら適量を与えてください。
暑さ対策3 散歩やお出かけ
犬にとって散歩は大きな楽しみのひとつです。しかし、老犬は足腰が弱ることや目が悪くなることで散歩に行きたがらなくなることがあります。特に白内障を患った犬は、明るい場所と暗い場所の差を怖がり、外に出たがらなくなることがあるようです。
しかし散歩で外に出ることは、老犬の体調管理においても重要なポイントです。自宅では動くことが少なくなった老犬も、外に出ると刺激を受けて歩く量を増やせます。足を動かすことは寝たきり予防につながりますし、地面に触れることで免疫力を高めることができます。夏も暑さ対策を万全にして、なるべく散歩に連れて行ってあげましょう。
散歩は早朝と夜の気温が低い時間帯に
散歩をする時間は、朝は遅くても午前7時くらいまでと夜8時以降を目安として、気温が下がったことを確認してからにしましょう。特に体高の低い小型犬は地面からの輻射熱の影響を受けやすいため、人間よりも熱中症にかかりやすく注意が必要です。日が暮れてもアスファルトの熱気はすぐには冷めないため、夜8時といってもまだ地面に熱が残っていることがあるのです。
外をまったく歩こうとしない老犬なら、抱っこして外の空気に触れさせてあげてあげましょう。公園など犬が好む場所まで連れていき、地面の匂いをかがせてあげることも感覚器官を刺激し、脳や神経を働かせることにつながります。
まとめ
老犬が夏を元気に過ごすための対策をご紹介しました。しかし、老犬の夏の体調管理に何よりも効果的なのはコミュニケーションをきちんととることです。老犬は寝ている時間が多いため、ついほったらかしにしてしまうことがあります。しかし、こまめにコミュニケーションをとりながら老犬の様子を観察することが、一番大切な体調管理法なのです。
背中や耳など犬の好む場所を撫で、よく触れてあげることで異変にもいち早く気付くことができます。また、愛犬を撫でてあげることで、オキシトシンという幸せホルモンが愛犬と飼い主の両方に分泌され、ストレス解消にもつながるという効果が注目されています。実際に、愛犬とのふれあいが癒しの時間だと感じている飼い主さんは多いことでしょう。
こまめに老犬と触れ合い様子を確認して、夏を元気に過ごせるように心がけてくださいね。