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犬の睡眠時間はどれくらい?短くて大丈夫?獣医師が解説します
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犬を家庭で飼っている人は、のんびり寝ている犬の姿をみて、羨ましいと思ったことはありませんか。今回は犬の睡眠時間やサイクルについて解説します。
犬の睡眠時間はどのくらい?

犬の1日の睡眠時間は12~18時間位
犬の睡眠時間の情報は今のところ明確ではありませんので、一般的にこれくらいと考えられているものをご紹介します。
成犬の睡眠時間
12~18時間が1日の総睡眠時間と考えられています。ヒトはおよそ8時間なので、犬たちは私たちの1.5倍以上もの時間、寝ているということですね。
アメリカのポインター犬を用いた睡眠と覚醒のパターンについての研究では、24時間のうち44%は起きていて(覚醒)、あとの56%はうとうとしていた、もしくは眠っていた(睡眠)という結果を示しています。睡眠時間は、犬の個体差や飼われている環境や仕事、警戒感の有無などによって、それぞれ違いもあるようです。
子犬の睡眠時間
子犬は成犬よりも全体の睡眠時間が長く、かつ眠りも深いようです。生まれて数週間の間は、母乳を飲むことと寝ることが仕事と言っていいでしょう。生後2カ月以降からは活発に活動する時間も増えますが、まだ18時間くらいを寝て過ごします。生後4カ月以降はもう少し活動時間が増えてきますが、15時間以上寝ていることも多いでしょう。
老犬(シニア犬)の睡眠時間
老犬では外部刺激に鈍くなり、眠っている時間が増える傾向があります。また若いころと比べて疲れやすく、体の回復にも時間がかかるため、高齢期は18時間くらいの睡眠が必要だと考えられています。
犬の睡眠のリズムは?

1日の半分以上は寝ている犬ですが、犬の睡眠パターンは、人のものとは異なることが分かってきています。この時間をずっとぐっすり眠っているのではなく、ちょこちょこ起きたり、眠ったりしているようです。
ヒトの睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があります。
ヒトの眠りはこれら性質の異なる2種類の睡眠で構成されており、約90分周期で一晩に4~5回、一定のリズムで繰り返されています。
一方犬では、オーストラリアにおいて家庭犬を用いたある研究がおこなわれ、夜間の8時間睡眠の間に、睡眠16分と覚醒5分、という21分周期が平均23回も繰り返されていたことが示されました。ヒトと比べると、かなり細かい周期ですね。犬は眠っていたとしても何かあればすぐに行動できるような睡眠パターンをもっているといえます。外敵に用心しなくてはならなかった野生のときの名残であるという考えが有力のようです。
犬にもレム睡眠、ノンレム睡眠もあるようですが、まだ充分な研究がされていないようです。
犬が睡眠を取る理想の時間帯は?
オオカミは昼間もそれなりに活動しているようですが、採食や繁殖を主に夜に行う夜行性の動物です。その血を引いている犬ではどうなのでしょうか。
動物はその活動周期を環境の変化に合わせることができ、家畜化された動物は人間の生活リズムに合わせているようです。犬は、人と暮らすようになり安心できる環境で眠り、狩りの必要性もなくなったことから、ほとんどが昼行性の生活を送っているのではないでしょうか。
動物はヒト同様、睡眠不足になると心身に影響を及ぼします。 家畜化された動物の睡眠障害はまれなのですが、犬には睡眠障害の1つであるナルコレプシー(※1)があることが分かっています。
犬がいくら人の生活に合わせることができるといっても、日中ずっと騒がしいところに居させたり、夜遅くまで明かりをこうこうと点けて起こしていたりすると、犬も寝不足になってしまいます。
※1:ナルコレプシーとは
突然強い眠気と筋肉の脱力がおこる睡眠障害です。人をはじめ、犬にも認められており、脳内のオレキシンという物質が関わっていることが分かっています。犬では、食事を目の前にしたり、他の犬と遊んで興奮したりすると、姿勢を保つ筋肉の力が突然に抜けてしまう発作が現れます。ドーベルマンやラブラドール・レトリーバー、ダックスフンド、プードル、ビーグルが罹りやすいとの報告があります。
パートナー(愛犬)の快適な睡眠に役立つ寝具

老犬(シニア犬)にはとくに睡眠の質に気を配ろう
犬にとって、日の入りと共に寝て日の出と共に起きる規則正しい生活リズムは大切です。また、昼間にリラックスして眠りを確保できる時間を作ってあげることも忘れてはいけません。
愛犬のためのフカフカのベッドを用意している飼い主さんも多いと思いますが、より快適に寝られるような寝床の工夫も考えてあげましょう。とくに老齢期(シニア期)の年齢に入り睡眠時間が長くなり始めた際には、体圧分散を考えた高機能マットなど、より体に負担のかからない睡眠の工夫もあります。このようなマットは介護が始まった場合にはより必要性を感じるかもしれません。ベッドや敷物の買い替えのタイミングがあれば早めに使い始めてみてはいかがでしょう。
まとめ
ヒトでは睡眠は1日の3分の1の時間を占め、その質が重要とされ、研究も進んでします。犬では、ヒトより多い時間を睡眠に費やしていますが、ヒトと同じように実験に協力してもらうことは難しく、その内容は未解明なことばかりです。
けれど、どの動物にとっても睡眠は生きるうえでとても大切なのは確かなことです。犬が健やかに生活するために、ぜひ睡眠の時間と質についても意識してあげましょう。
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