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犬を叩いてしつけるのはNG?その理由と叩かずにしつけるための方法
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犬のしつけに悩む飼い主のなかには、こうあってほしいと願うあまり、度を越えたいたずらや粗相をした時に思わず手が出てしまうことがあるようです。しかし、飼い主はしつけのつもりでも、その気持ちが犬にどこまで伝わっているのかはわかりません。
そこで、犬を叩いてしつけるのはNGなのかを含め、叩かずにしつける方法についてご紹介します。
犬を叩いてしつけるのは間違っている?
「叩く」という行為は、いわば暴力と同じです。相手が人間であっても犬であっても、そもそも暴力はタブーですよね。
そのうえで、もしも叩いてしまった場合、許されるわけではありませんが、相手が人間であれば叩いた理由を言葉で説明して対処することができます。しかし、言葉でのコミュニケーションがとれない犬の場合はそれができません。したがって、たとえしつけのためであっても、叩くことは人間の言葉を理解できない犬に対してフェアではない行為といえます。
叩いてしつけることのデメリット
叩いてしつける行為は、犬に怪我を負わせる可能性もあり、痛みによる苦痛などの身体的負荷を与えてしまうことになります。そして、肉体的苦痛を与えることによって心理的なストレスを高め、人に対する不信感や警戒心を過剰にしてしまうほか、犬に恐怖心を植えつけてしまうといったデメリットもあります。
飼い主は悪い行為をしたときに叩いてしつけたつもりでも、叩かれる理由が犬にはなかなか伝わらないもの。理由も分からずに叩かれるという経験が繰り返されると、犬はどうしていいのか分からなくなってしまいます。その結果、行動が委縮してしまったり、「何もしないほうが叩かれない」と無気力な状態に陥ってしまったりする場合があります。
飼い主の意図と関係のない要素を関連付けてしまう場合もあります。叩かれて罰を受けた場所やその場に居合わせた人、周囲の環境や状況などと罰とを結びつけて、それぞれを「嫌な場所・人・コト」などと認識してしまうことがあるのです。
また、例えばトイレシート以外で粗相をした際に、飼い主としては場所の失敗に対して怒ったとしても、犬は「排泄の行為自体で叩かれた」と判断してしまうことがあります。その結果、排泄を我慢したり、見つからない場所で隠れて排泄したりする行為に結びつきかねません。
このように、犬に対して叩くという罰は、決しておすすめできる方法ではないのです。
犬を叩かずにしつけるための方法
犬の行動が飼い主にとって都合が悪くても、そこには何かしらの理由があるはずです。犬の性格や習性、犬種別の特性などに加え、これまでの経験から学習してきたことが理由かもしれません。つまり、そういった犬の習性や犬種別の特性、そして学習の仕方などを、飼い主の責任として知っておくことが前提です。
そのうえで、犬の行動を一概にひとつだけの理由にあてはめることはできないので、ここでは、あくまで一般的な対策の一例をご紹介します。
トイレ以外の場所で粗相をした時
犬がトイレシートで排泄するのは飼い主の都合で決めたルールであって、シート=トイレだと明確に理解しているかどうかはわかりません。もしかすると、トイレトレーニングが不完全で、中途半端に覚えているだけにすぎないかもしれないのです。したがって、別の場所で排泄したからといっても、犬にとってはなんら間違いではないという認識かもしれません。
トイレシート以外で粗相をしてしまったときには、怒るのではなく、根気よくもう一度トイレレーニングをやり直します。犬の様子をしっかりと監視して、排泄しそうになったらシートへ誘導してあげることを繰り返しましょう。
留守中に部屋の中をめちゃめちゃにしていたとき
犬は時間の概念を人間ほど広くもっていないと考えられているため、留守中に部屋の中をめちゃめちゃにしたからといって罰しても、何に対して罰せられたのかを関連付けすることができません。犬は理解できていないので、しつけという面では意味のない罰となってしまいます。
ですので、部屋の中をめちゃめちゃにされない環境を整えておくことが大切です。例えば、大事なものは犬が届かない場所におく、留守中はサークルに入れる、などの対策が効果的です。もしくは、「これだったら遊んでいいよ」というようなおもちゃを事前に与える方法もよいでしょう。しつけは、問題行動を未然に防ぐためのものと考えておきましょう。
犬にとってのメリットを見極める
飼い主にとってはやってほしくない行動でも、犬にとってはなんらかの理由やメリットがあるものです。犬のメリットとなっている部分を取り除いてしまうのも、しつけには効果的な方法です。
例えば、よく要求吠えをする犬の場合は、ワンワンと吠えることで飼い主さんの注意をひき、おやつや相手をしてもらえるという、犬にとってのメリットが発生していると考えられます。つまり、「吠える=メリットがある」と犬は認識しているのです。そこで、吠えているときにはおやつを与えたり相手をしたりしないことで、吠えることによる犬のメリットを取り除き、要求吠えを減らしていくようにします。
その際、吠えずに大人しくしているタイミングを見計らっておやつを与えたり相手をしてあげたりすると、さらなる効果が期待できます。
飼い主にとって困った行動が頻繁に繰り返される場合は、困った行動の前後をよく観察し、犬にとってのメリットが何なのかを見極めるようにしましょう。
欲求不満をためさせない
犬の困った行動は、運動不足や退屈などといった欲求不満が原因となる場合がよくあります。
普段からの充分な運動と散歩は、犬の困った行動をやめさせるために効果的です。
散歩には運動だけではなく、外での色々な刺激を感じさせる機会を与えるという意味があります。例えば、人や他の犬など動物の姿を見たり臭いをかいだり、場合によっては直接関わるなどをしながら散歩をすることで、犬のニーズが満たされ、無駄吠えやいたずらを軽減できる可能性が高くなります。つまり、精神的な充足やストレスを溜めない環境の確保が大切なのです。
ほめて育てるモチベーショナルトレーニング
モチベーショナルトレーニングは、犬が喜ぶことを報酬(ごほうび)としてうまくしつけに活かす方法です。つまり、犬の望ましい行動(やってほしいこと)をほめる(ごほうびを与える)ことによって、その行動を伸ばしていくポジティブなしつけ方法で、人道的な見地からも現在の主流となりつつあります。
犬を叩きそうになったら...
犬を叩きそうになったら、最初にご紹介したとおり、まずは叩く罰が犬に対してフェアではないことを思い出してください。飼い主が、「叩くことは愛犬に対して本当に正しいのか」と冷静になって自分自身に問いかけることが必要なのです。
なかには「つい叩いてしまう」といったケースもあるかとは思います。万が一、それを日常的に繰り返してしまう場合は、飼い主自身がストレス状態にあることが懸念されます。しつけがうまくいかないからと知らない間にストレスをため込んで、育児(育犬)ノイローゼに陥っているケースがあります。犬のしつけは子育てと同じで、心にゆとりをもちながら犬と接していくことが大切なのです。
もし、「言うことをなかなか聞いてくれない」「問題行動が頻繁で困っている」などのしつけに関するお悩みを抱えているのなら、専門家に相談してみましょう。犬の行動学に詳しい獣医師かドッグトレーナーに一度相談してみましょう。
また、噛みグセやいたずら、ストレス解消に効果的なコングやトリーツを入れられるおもちゃもしつけに役立つおすすめのグッズです。
まとめ
犬を叩いてしつける方法は、犬に対して決してフェアなやり方とはいえません。犬にとっては、理由もなく暴力をふるわれているのと同じだからです。それではお互いに信頼関係を築くことはできません。しつけとは、困った行動に罰を与えるのではなく、その行動を予防するための方法であることが理想です。愛犬の特性や性格を充分理解した上で、お互いの信頼性を高められるしつけを目指してください。
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