子犬の歯磨きはいつから?必要な理由から簡単なやり方まで徹底ガイド!
愛犬の口内ケア(歯磨き)が大切だということは当たり前になりつつありますが、子犬の場合、いつから歯磨きを始めるべきかという疑問は多いようです。
犬の歯を磨くこと自体、飼い主にとってかなりハードルが高いケアな上に、子犬に口を開けてもらうことも難題なことと想像するからではないでしょうか。
そこで今回は、子犬の歯磨きを始める時期や、子犬に歯磨きをするための簡単な方法と手順、子犬の歯磨きに関するよくある疑問(Q&A)についてもご紹介します。
この記事は専門家が執筆・監修しています
<執筆>GREEN DOG & CATコンテンツ制作チーム
犬に関するさまざまな専門知識をわかりやすく発信する制作チーム。子犬からシニア犬まで、あらゆるパートナー(愛犬)と楽しく暮らすお手伝いをします。
<監修>遠藤 和義(えんどう かずよし)
GREEN DOG & CAT専属ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー
犬業界でのキャリアは四半世紀以上。 国内外の著名なドッグトレーニングの専門家から知識や技術を学ぶ。同時に、多数の保護犬・保護猫の日常ケアにもたずさわる。 各地のしつけ方教室の運営や動物系専門学校の教員などを経験後、縁あって GREEN DOG & CATへ。GREEN DOG & CAT実店舗やしつけ方教室の運営なども手掛ける。
子犬の歯磨きを始める時期
子犬の歯が生え揃う時期から始める
個体差はあるものの生後2ヵ月頃には28本の乳歯が生え揃います。歯磨きのような歯をきれいにするためのケアは生後2ヵ月過ぎから始めます。子犬を迎えて間もない場合は、まずはお家(環境)に慣れてからできるだけ早く練習を始めましょう。
ただし生後3カ月くらいから乳歯が抜け始め、1歳頃までには永久歯(全42本)に変わります。私たちと同じく永久歯が生えるのは1回のみです。大切な歯のケアは子犬のうちから取り組むことがおすすめです。
子犬にも歯磨きが必要な理由とメリット
犬は歯周病になりやすい
犬は歯周病になりやすく、増えた歯周病菌は多くの内臓疾患の原因になります。口の中だけでなく血液の中に入ると全身に行きわたるからです。そのため、口内ケアは欠かせません。 犬に歯磨きが必要な理由について詳しくは「【プロが教える】愛犬の歯磨きの方法を解説!嫌がるときにおすすめのケア用品も紹介」を参考になさってください。
子犬の歯磨きを早くから行うことのメリット
学習能力の高い子犬期にできるだけ早い段階から練習をスタートすることがおすすめです。早くから歯磨き練習を始めることで飼い主も子犬も歯磨き習慣がつきやすくなり、毎日の当たり前のケアとして取り組みやすくなる以外にも以下のようなメリットがあります。
- 歯磨きを受け入れやすくなる
- 歯周病予防に役立つ
- 健康寿命を延ばすことが期待できる
- コミュニケーションの時間になる
子犬に歯磨きを慣れさせる最初のステップ
乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期は特に歯ブラシが当たると痛くて嫌がる場合があります。はじめは飼い主の指先で触れたり、マッサージしたりすることから始める歯磨き練習をおすすめします。これに充分に慣れたら歯ブラシを使った歯磨きに移行します。
ここでは歯ブラシを使う前の歯磨き練習の説明をします。軽く触ることができたら褒める(必要であればご褒美を与える)ことで楽しい時間となるよう意識してください。嫌がる前にやめることも大事です。 続く各ステップも同じようにゆっくりと段階を踏んで慣れさせていきましょう。
歯磨き練習
1.まずは口まわり(マズル)を触られることに慣らす
口だけでなく早い時期から顔や手足、尻尾の先までどこを触っても平気なようにしておくと、社会化(他人との触れ合い)を含め、病院での診断時にも過剰なストレスがかかることを避けられます。
2.上唇をめくる
3.歯や歯茎を触る
4.歯や歯茎をマッサージする
5.歯磨きジェルや歯磨き粉をつけてマッサージをする
監修者コメント
「褒めること」や「ご褒美を与えること」について
①「褒められたこと」や「ご褒美をもらえたこと」が、それらを提供した側の想定した通りに犬にとって本当にメリットになり得ているかどうか、あらためて検証してみましょう。
検証方法のひとつは、対象の行動(反応)の、その後の頻度を確認することです。「褒めたこと」や「ご褒美を与えたこと」によって対象の行動(反応)の頻度が高くなっていれば、それらは犬にとってメリットになっていると解釈できます。
裏を返せば、こちらが褒めているつもりでも、犬にとっては何のメリットになっていない(対象の行動や反応の頻度が高くなっていかない)ケースがよく見受けられます。
②デリケートな口の周りを他者に触られたり、口の中に異物を入れられたりすることで、犬側には違和感や嫌悪感が当然生じます。この違和感や嫌悪感を軽減したり払拭したりするために、褒めたりご褒美を与えたりするわけです。ですので、「褒められる&ご褒美をもらえる」というメリットが、違和感や嫌悪感というデメリットを上回っていることがとても重要です。
③ただし、どんなにメリットがデメリットを上回っていたとしても、そのときのデメリットの度合いが高すぎると、嫌なものは嫌なので、犬は強いストレスや葛藤を抱えてしまいます。だからこそスモールステップを用いて犬の許容範囲内で少しずつ進めていくことが大切なのです。
ご褒美おやつのおすすめ商品
その都度のご褒美にはいつものフードよりも反応が良いものがおすすめです。小さくてすぐに飲み込めるようなものが良いでしょう。 たとえば、フリーズドライチーズはとても小さなサイズで犬にとって嗜好性の高いチーズです。フリーズドライタイプなので手も汚れにくいのが魅力です。
フリーズドライチーズ
詳細はこちら歯磨きジェルのおすすめ商品
今や犬用歯磨き粉や歯磨きジェルはたくさんの商品が販売されています。なかでもGREEN DOG & CATで歯磨きのスタート時におすすめしているのは、歯にマヌカPK(Puppy&Kitty) です。素材にマヌカハニー(はちみつの1種)を使っているので甘い味がします。甘いものを好む愛犬は多いのでケア商品としても大人気なんです。トロッとしたはちみつのようなジェルで口の中に長くとどまり、口内の健康的な環境維持に役立ちます。
食べ物で甘いものをたくさん摂ることはおすすめできませんが、健康な愛犬がケア商品に含まれるわずかな糖質を摂る分には問題ありません。
歯にマヌカPK(Puppy&Kitty) をおすすめするのは以下の理由からです。
- 天然成分のみで作られている
- マヌカハニーの甘さがおいしい(ご褒美にもなる)
- 子犬にも心配なく使える成分(ボツリヌス菌除去)
- 歯周病予防
※歯にマヌカPKは、はちみつに含まれるボツリヌス菌を特殊な殺菌加工で除去しています。
※マヌカハニーは、マヌカの花(ニュージーランドに自生)から採れるはちみつです。
歯にマヌカPK(Puppy&Kitty)
詳細はこちら子犬が歯磨きを嫌がる理由と注意点
子犬が歯磨きを嫌がる理由は、本能的な反応でもあります。口まわりや口の中は敏感な場所であり、無理に触られたり、何かを入れられたりすることに対して恐怖や不安を感じます。 そのために段階を踏んで触られることに慣らしていくことが必要なのです。
歯磨きの練習には以下の注意点を意識しながら行ってください。
- 子犬がリラックスしているときに行う
- 子犬の様子を観察し無理強いをしない
- あせらず子犬のペースに合わせる(毎日部分的に進めても良い)
- 褒めることを忘れず、必要に応じてご褒美を与える
歯ブラシは実は上級者向け。まずはこれから始めよう
歯ブラシのスタート時点は上唇をめくって歯ブラシをあててみるだけ
歯磨き練習に慣れてきたら次のステップでは、以下のような方法になります。
- ①歯磨き練習の頻度や時間を増やす
- ②指だけでなく歯磨きシートで拭いてみる
- ③柔らかめの歯ブラシを使ってみる
歯磨き練習が得意になったからといって、すぐに歯ブラシでゴシゴシはまだ早いです。歯磨き練習の「③歯や歯茎を触る」の指が歯磨きシートや歯ブラシに変わるだけです。例えば歯ブラシで歯や歯茎を触れたら褒めたり、ご褒美を与えてください。その後のステップもあせらず進めていきましょう。
歯磨き練習の間はその都度必要ならご褒美を与えますが、歯磨きを自然に受け入れられるようになったら、タイミングは都度都度ではなくランダムにしていくことも可能です。ただし、「0」にはしないほうがいいでしょう。
歯ブラシが使えるようになったら上級といえるでしょう。できれば毎日、最低でも3日に1度は歯磨きを続けてくださいね。
口の中が汚れにくいおやつ
せっかく歯磨きを始めたら、できるだけ口の中をキレイに保ってほしいものですね。GREEN DOG & CATでおすすめしているのは、パピーにも硬すぎず、噛む楽しみが与えられ、口の中に汚れが残りにくいガムです。
ウィムズィーズ パピー
詳細はこちら子犬の甘噛みについてよくある質問(Q&A)
子犬の歯磨きはいつから始めたらいいですか?
およそ生後2ヵ月時には生え揃うので、そのころから始めるのがおすすめです。お家に迎えて間もない場合は、環境に慣れてから少しずつ練習を始めてください。方法は記事内「子犬に歯磨きを慣れさせる最初のステップ」を参考になさってください。
子犬も虫歯になりますか?
子犬が虫歯になる可能性は極めて低いです。犬の口内のpHはヒトとは違いアルカリ性です。アルカリ性の環境では虫歯にはなりにくい代わりに歯垢(歯周病の元となる)ができやすいです。ただし、毎日ヒトのお菓子などを食べているなど、誤った食生活では口内が酸性になり虫歯ができる可能性もあります。
乳歯が抜けそうになっています。歯磨きした方がいいですか?
痛みや違和感が生じると歯磨き練習にも嫌な印象を持ってしまう可能性があります。子犬が嫌がる場合は歯磨き練習を休んで様子をみましょう。可能な場合には問題のない歯のみを触るようにしましょう。
おわりに
子犬の歯磨きはできるだけ早い段階から始めることが望ましいです。いきなり歯ブラシを使うのではなくまずは口のまわりを触られても平気になるところからがスタートしてください。 歯磨き練習ができれば、次に歯ブラシを使えることになるのが理想です。
歯磨きは歯周病予防におおいに役立ちますが、それだけで難しいため定期的に動物病院で口内を診てもらうことも大事です。年に一度の健康診断の受診をおすすめします。
成犬の3歳以上では80%が歯周病になっているといわれます。健康寿命を延ばすためにも小さいうちからぜひ歯磨きの練習をしてくださいね。
【参考】
・【プロが教える】愛犬の歯磨きの方法を解説!嫌がるときにおすすめのケア用品も紹介
・イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 発行元:バイインターナショナル
パートナーのしつけやトレーニングに関するご相談は、犬の行動学に詳しい専門家に直接パートナーを見てもらう方法を推奨しております。
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