【プロが教える】愛犬の歯磨きの方法を解説!嫌がるときにおすすめのケア用品も紹介

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【プロが教える】愛犬の歯磨きの方法を解説!嫌がるときにおすすめのケア用品も紹介

歯をふいてもらう犬

愛犬の口の中の病気でもっとも多いのが歯周症。放っておくと歯周病菌が血液に入り込んで全身に巡ると口の中だけの問題ではなく心臓や腎臓の健康にも影響する怖い病気です。そして多くの愛犬たちが歯周病を患います。それは私たち人よりも犬の口内は歯周病になりやすい環境だから。

歯周病を予防や進行を抑えるためにはやはり歯磨きが大切。ところが、なかなかおうちでの歯磨きは難しいもの。多くの飼い主さんの悩みでもありますね。

今回は、"愛犬のためのプレミアムペットフード・ケアの専門店"として20年以上に亘り飼い主に寄り添い続けるGREEN DOG & CATのペットフーディスト(アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー)が、愛犬の歯磨きの方法や嫌がるときにおすすめのケア用品についてご紹介します。

この記事は専門家が執筆・監修しています

愛犬とペットフーディスト

<執筆>
山本 由能(やまもと ゆの)

ペットフーディスト、アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOG & CATへ。
自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。
日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。

獣医師 後藤 充

<監修>
獣医師 後藤 充(ごとう みつる)

神戸灘動物病院 獣医師
専門・得意分野 総合診療科・内科・歯科

<経歴>
2020年4月~2021年10月 
大阪市内の動物病院で院長として勤務
2021年11月~      
神戸灘動物病院

動物病院で勤務する中で様々な経験を積み、歯科に力を入れた病院で勤務したことで様々な口のトラブルを抱える犬や猫を診たことで歯科分野に特に興味を持ちました。
人のように自分で歯磨きを行うことができない犬や猫では歯周病を患っている子がたくさんいます。
歯周病は進行すれば痛みや出血につながり、歯を失ってしまうことも多くあります。
少しでも健康な歯で長く生活できるお手伝いができれば幸いです。

目次

3歳以上の犬の約80%は歯周病もしくはその予備軍といわれています。私たち人の口内は酸性で虫歯の原因菌が繁殖しやすいのに対し、犬の口内はアルカリ性で歯周病の原因菌が繁殖しやすい環境です。症状が進むと最終的には歯が抜ける以外にも全身の内臓に悪影響を与える場合もある、怖い病気です。

歯周病の原因は歯垢。歯垢は細菌が繁殖してできるネバネバしたもの。これが唾液中のカルシウムなどが加わって石灰化したものが歯石です。 歯石があるとその上にさらに歯垢が付きやすくなります。歯石にならないうちに歯磨きで歯垢を取り除くことが歯周病予防に一番大事なことです。

犬の歯 健康な状態と歯周病の状態の比較

犬は、約3~5日で歯垢が歯石に変わります(人は約25日)だから最低2~3日に1回はデンタルケアを行い、歯石を予防しましょう。

歯石・歯垢は歯周ポケットの中にもつきます。菌が繁殖すると歯茎の炎症で赤く腫れ、歯周ポケットも深くなり、歯石も厚く大きくなっていき、どんどん歯周病菌も繁殖しやすい環境になります。

歯磨きの頻度の理想は毎日行うことです。その方が習慣化して忘れず続けやすいのではないでしょうか。

スケーリングで歯石を取り除く

一度歯石がついてしまったら、歯磨きでは取り除けません。その場合は、スケーリングといって、人と同じように超音波の振動を利用して歯の表面および歯周ポケットの中にたまっている歯垢や歯石の除去を行います。犬の場合は動物病院で全身麻酔をかけて行うものです。

またスケーラーという手動で歯垢・歯石をとるための器具は簡単に購入することができますが、熟練しないと愛犬に怪我をさせてしまったり、処置の際に痛みを感じるためデンタルケアを嫌がる原因になります。また歯の表面に傷をつけてしまうとさらに歯垢がつきやすい状態になりますので動物病院での治療をおすすめします。

子犬の歯
生後4カ月の子犬(下顎の前の歯が抜け始めました)

歯周病は年齢とともに増えていきますが、もちろん子犬の時から歯垢・歯石はできやすい口内環境であることは変わりません。できるだけ早い時期から歯磨きの習慣ができることが理想です。

乳歯(子犬の歯)は生後1ヶ月ごろから生え始め、28本あります(永久歯は42本)
乳歯は比較的小さく尖っているために私たちの手に当たると痛いわけですね。永久歯に生え変わるのは生後4ヶ月過ぎから8ヶ月くらいの間。生え変わりの時期は歯がむずむずしていろんなものを噛みたがります。歯磨きをしようと思っても手や歯磨きグッズを噛んでしまってなかなか落ち着いてケアをするのはハードルが高い時期です。

また乳歯が抜けたばかりの歯茎に歯ブラシがあたると嫌がってしまいます。できるだけソフトな感触のデンタルケアを選んであげましょう。
無理強いや痛い思いをさせてしまうと歯磨きをさせてくれなくなる可能性がありますので、子犬がゆっくりくつろぎ始めた頃に少しずつ練習すると良いでしょう。ごほうびを与え、愛犬にとって楽しみな時間になることが理想です。

永久歯を失うと二度と生えてきませんし、折れている場合は早く治療した方が良い場合もあります。歯のチェックを兼ねて歯磨きの練習ができるといいですね。

歯磨きをはじめる段階の方法を丁寧に説明した記事がありますのでぜひ参考になさってください。

歯ブラシで歯みがきをしてもらう犬

まずは指や布をつかって歯の汚れをとったり、歯茎をマッサージすることに慣れたら、歯ブラシを使って歯磨きをしていきましょう。

>歯ブラシは軽く握る(力が入らないよう)ペンを握るように持つ

1歯ブラシは軽く握る(力が入らないよう)。ペンを握るように持つ。

まずは前歯の外側から。

2歯ブラシは歯と歯茎の境目にあてる(歯に対して歯ブラシは横向き)。 斜め45度に傾けてより歯と歯茎の境目にブラシの端をあてることが理想。 (歯周ポケットの中の汚れを掻きだすイメージです)

歯周ポケットの中も磨く

3軽く小刻みに動かします(歯に対して横方向)。 (力加減は歯ブラシを自分の手の甲に当てて確かめてみましょう)

奥の臼歯

4理想は歯茎の中の汚れをかき出すことです。
(歯ブラシ使いの上級レベル)

犬の奥歯を歯ブラシで磨く

犬にも臼歯(きゅうし)という奥歯にあたる大きな歯が上顎に6本、下顎に7本ずつあります。

特に歯石がつきやすいのは上顎の臼歯です。口の横側をめくって磨きます。うまく磨けるようになるまで少しずつ慣らしていくしかないですが、おもちゃやロープを噛ませておくと磨きやすくなる場合があります。

少しでも磨けたら褒める、歯磨き後には小さくて飲み込みやすいごほうびおやつを与えるなど、歯磨きに良いイメージをつけていきましょう。

犬の歯を指歯ブラシで磨く

多くの犬は歯磨きが苦手。だから、まずは、今の段階で愛犬が受け入れられる、無理のない歯磨きを行いましょう。

歯磨きが好きな犬はわずか18%*ということから飼い主も根気が必要です。歯磨きが嫌いになってしまっては大変。まずはお互いのストレスが少なく、無理しない方法を選びましょう。
特に痛みを生じたり、無理強いすることはもちろん、口まわりを触られることに慣れていない場合は、まずは無理なく触れる練習からスタートです。
*2009年アニコム社調べ

愛犬にとって難しいことを覚えてもらうには、ごほうびが有効です。小さなステップからはじめて、できたときには必ずごほうびを与えます。そうすることでステップアップがスムーズになります。あせらずに毎日練習するつもりで取り組んでいきましょう。

きなり しっとりやわらかジャーキー ささみ

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口まわりはデリケートな部分です。だから少しずつ触られることに慣らしましょう。

1口をやさしくタッチ(頭や耳など触れるところからはじめましょう)

2口をめくって歯にタッチ

3歯をゆっくり触る

4歯茎をマッサージする

5歯ブラシを歯に当てる

6歯ブラシで少しこすってみる

これくらい段階を踏んでも良いでしょう。できたらその都度ごほうびを与えます。嫌がるサインがあればストップして無理強いしないでください。

痛みを感じたら次に触ることが難しくなってしまいます。歯をキレイにするのはあくまで最終目標であって、途中段階では歯磨きが習慣にできることが大事。

  • 愛犬が落ち着いている時間や場所で行う
  • 愛犬が気に入るデンタルジェルを使う(ほんのり甘味を感じるなど)
  • 不快感や刺激などの少ない歯ブラシを使う(やわらかい歯ブラシ、歯ぐきブラシ)

愛犬は口をゆすぐことが出来ないのでそのまま体内に入ります。だからデンタルケア用品は食品と同じレベルでGREEN DOG & CATは安全性に問題がないかしっかりチェックした商品だけを販売しています。原材料にも注目してみてくださいね。

愛犬の歯磨きの方法は人とほぼ同じではありますが、愛犬は自分で歯磨きをすることはできません。私たち飼い主が行う場合、つい必死になって力を入れすぎる傾向があります。

子犬の乳歯から永久歯への生え変わり期やすでに歯茎が腫れている場合はちょっとした刺激でも痛みを感じますので注意してください。
歯磨きもコミュニケーションの時間だと思ってゆったりとできれば楽しい雰囲気で行うようにしましょう。

使い古しの歯ブラシは毛先が開いてしまって歯垢を取るのに適しません。定期的に新しい歯ブラシと交換してくださいね。
また人用の歯磨き粉(デンタルジェル)を舐めたがる犬もいますが、キシリトールが使用されているものが多いため注意が必要です。キシリトールは犬にとって中毒症状を引き落とし危険性がある成分なので愛犬の歯磨きには必ず犬用商品を使用してください。

【参考】
ペット栄養学会誌2013 年 16 巻 1 号_禁忌食(その3)--犬のキシリトール中毒

特選アイテム一覧

歯ブラシよりも歯茎へのあたりがソフトな綿棒でも歯垢をこすりとることはできます。ただし、噛んで飲み込んでしまう危険性もある点は注意をしてください。

犬用歯磨きガムとしてデンタルケア(口臭予防、抗菌)に役立つ機能成分が含まれたものを多くみかける ようになりました。
また通常のおやつとして人気の犬用ガムは長い時間噛むことで物理的に歯の表面についている歯垢を落とすことに 役立つ場合があります。
いずれにしても、愛犬にあった硬さ、噛む時間を配慮したガムを選びましょう。飲み込んで喉を詰まらせる事故を防ぐためにも必ず目が届く場所で与えるようにしましょう。犬用ガムの主成分はタンパク質や炭水化物が多いです。カロリー摂取にも配慮して食事の量を調整してくださいね。

ウィムズィーズ スティック

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楽しくカミカミできる適度な硬さ、風味が愛犬たちに人気。スティック以外にもいろんなタイプがありますので愛犬に合う形やサイズものを選んでくださいね。

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チューイングボーン スティック

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良質のたんぱく質が豊富!ロール型のローハイド(牛皮)ガム(スティックタイプ)

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布製のおもちゃやロープを噛むことも物理的に歯垢が取れます。もっと効果的に行える繊維で作られたおもちゃもあります。咥えたり噛んだりして遊ぶのが好きな愛犬にはおすすめです。歯磨きの初歩にはおもちゃにデンタルジェルをつけて噛ませるのもいいですよ。

歯磨きは歯周病予防に欠かせないといっても愛犬によってはなかなか受け入れてくれません。歯磨きがきっかけで愛犬との関係性が崩れる可能性もあります。つい私たち飼い主が必死になってしまうことで痛みはもちろんですがいつもと違う形相に愛犬が恐怖を感じてしまう可能性もあるからです。

愛犬との関係性が壊れないようサロンや動物病院など歯磨きをお願いできるところに任せましょう。まったくケアをしないより定期的なケアができることが大事です。

歯磨きの練習中のごほうびはもちろんのこと、習慣化できてからは歯磨き後のごほうびとしておすすめのおやつがあります。

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「嫌がるから」とケアをやめてしまうよりは、簡単なケアでもしたほうが絶対良いです。また、歯周病の原因になる歯石を予防するためには、歯ブラシを使ったケアが有効です。 いまはできなくても目標として歯ブラシを使って歯磨きができるようにまずはやさしい方法からスタートしてくださいね。

フードやサプリメント選びにお困りの際は、お気軽にGREEN DOG & CATのごはんの窓口にお問い合わせください。


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