犬の散歩はなぜ必要?
ノグチ
パートナー(愛 犬)の、お散歩って何のために行くのかな?
ドッグトレーナー遠藤
悪天候や体調不良の日の散歩は大変ですよね。
超小型犬であれば、おうちの中で運動量は足りている。と考える方も多いと思います。
でも、お散歩にはメリットがたくさんありますよ。
散歩にはメリットがたくさん
1体力がつく
散歩で体を動かすことで、筋力がつき、身体能力も向上、持久力もアップ。
2内面的な柔軟性や自信につながる
限られた場所だけで過ごしていると、聞き慣れない音や見慣れない風景に興奮したり、必要以上に怖がったり...。
私たち人間も初めてのことや慣れていないことは不安になり、人によっては心への負担が大きくなることもありますよね。
パートナーに、無理のない範囲でいろいろな環境を経験させてあげることで経験値が上がり、内面的な柔軟性や自信につなげることが期待できます。
3コミュニケーション
時折、互いの表情を確認したり、話しかけたりしながらの散歩は、パートナーにとっても、オーナー(飼い主)様にとってもコミュニケーションの幅を広げる場になります。
犬は楽しいことをしてくれる人が大好きです。そして、大好きなオーナー様との散歩は喜びになります。
オーナー様も日々の小さな変化をパートナーと共有しながら散歩を楽しんでくださいね。
「運動」だけではない「探査活動」「テリトリー活動(社会活動)」の欲求を満たす、それが散歩!
散歩はもちろん運動になるのですが、運動と大きく異なる点が「探査活動」「テリトリー活動(社会活動)」の欲求を満たせるということです。
犬は本来「探求したい」という欲求を持っており、散歩はこの欲求を満たすために必要不可欠。
おうちの中でも運動はできるかもしれませんが、音やにおい、人、モノが限られ、刺激が少なく探求欲求を十分に満たすことができません。
散歩はパートナーにとって重要な情報収集の時間。私たちがテレビやネットから情報を収集するように、外のニオイを嗅ぐことで自分の行動範囲のあらゆる情報をキャッチしています。
また「テリトリー活動(社会活動)」として、犬にはテリトリーの確保や他者との接触に対する欲求もあります。
これらは、人間中心の社会においては人にとって相容れなかったり理解しにくかったり、または犬自身の経験不足から過剰な反応見られたりすることもありますが、それでも犬本来の欲求であるという認識は必要です。
このように散歩は、運動だけでなく、探索活動やテリトリー活動(社会活動)という、犬本来の欲求を満たしてくれる必要不可欠のものなのです。
ノグチ
散歩のメリットはたくさんあるんですね。でも、うちのパートナーは散歩が嫌いなんです。
ドッグトレーナー遠藤
あらゆる行動には理由があります。たとえば下の図を見てみましょう。
犬の欲求(ニーズ)を知ろう
そもそも安全に生活するという安全への欲求、生命を維持するために食べることへの欲求など、さまざまな欲求をバランスよく満たすことが、彼らにとって満足のいく状態になります。
下図はイギリスのNatural Animal Centerが提唱する犬の欲求階層です。
最下層が最も必要とされると思われるもので、上層に行くに従いその重要性は低くなると言われます。
ただ、上層は無視をして良いというわけではなく、あくまでその必要性が下層よりも相対的に低いということです。
私たち人間でも、生命の危機が脅かされている状況では夜も眠れないということがありますよね。
犬も同じように、下層の欲求が満たされない場合、上層の欲求に従った行動は見られにくくなるのです。
おうちの外に出ると硬直してしまって歩けない、といったパートナーの場合、第一階層にあたる「生命の安全」に不安を感じているのかもしれません。
まずはパートナーがその環境を「安全」だと感じられるようにしてあげることを優先しましょう。
トモヒロ
うちのパートナーは、保護犬で慣れていないものがたくさんあります。
ノグチ
うちのパートナーは、アレルギーで足の裏が腫れてしまったりすることがあるから、痛くて歩きたくないのかもしれないな。
ドッグトレーナー遠藤
よい気づきですね!
忘れてはいけないことは、信頼できる知識を積み"うちの子"を見てあげましょう。
トモヒロ
少しずつ、いろいろなものに慣れさせてあげたいと思います。
まとめ
- 散歩は「運動」「探査活動」「テリトリー活動(社会活動)」の欲求を満たし、犬本来の生活をする上で必要不可欠。
- 散歩への欲求は段階がある。パートナーにとって何が喜びであるか寄り添いましょう。