小型・中型犬では8歳前後、大型犬では5歳前後を「プレシニア期」といい、快適にシニア期を過ごすために大切な期間です。 「シニア期を迎えた時にどんなことが起こるか?」、「プレシニア期にできることは?」などオーナー様の疑問を獣医師と一緒に考えていきましょう。
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獣医師が解説!パートナー(愛 犬)の関節のお話|ずっといっしょ。快適なシニア期のために今からできること
シニア期の準備期間「プレシニア期」
見えない脅威からパートナーを守る
歳を重ねていくうちに、以前よりも散歩や遊びの時間が減ったり、ときにふらついてしまったり、パートナーの年齢を感じるときはないでしょうか。
犬も人と同じく加齢と共に関節の痛みを発症しやすくなってきます。今回は一緒にパートナー(愛 犬)の関節について考えてみましょう。
関節の衰えって?
1.見えない痛み
とはいえ、パートナーはまだまだ元気いっぱいで、関節の話なんて無縁、という方も多いのではないでしょうか?
しかし、犬は痛みを隠すのがうまいと言われており、オーナー様が気付いていないだけかもしれません。
日常の些細なしぐさから、パートナーの痛みに気付いてあげられるようにしましょう。
犬が痛みを感じるとき、その部分をなめたり、運動量が減ったり、今まで登れた高さに登れなくなったり、起き上がるのに以前より時間がかかるようになったりと、ちょっとした仕草に痛みのサインが潜んでいます。
そのようなサインに気付いたら、飼い主としてどんなことがしてあげられるでしょうか。
2.若いときから体重には気を付けて
関節の痛みのリスク要因のひとつとして肥満があります。
パートナーがもりもり食べてくれる様は非常にうれしい瞬間ですし、少しまるっとした子がかわいいという気持ちも分からなくはありません。
しかし、肥満はゆっくりとではありますが確実に関節に負担をかけていきます。
肥満によりゆっくりと関節炎が進行してしまい、痛がっていることに気付いたころには十分な治療効果が得られないほどに重症化してしまっていることもあります。
痛みを抑える前に、痛みを予防するためにも、まずは若いうちからしっかりと体重管理をしておきましょう。
3.炎症を抑えるω-脂肪酸
しっかりと体重管理をしていても、加齢により「痛み」が出ることはあります。
「痛み」とは体の異常のサインです。
体に異常が起きていることを神経刺激で脳に伝えることで、動物は痛みを認識します。
その痛みにつながる体の異常の多くには炎症が関わっています。そのため、炎症を抑えてあげることが痛みの軽減にもつながるのです。
抗炎症作用のあるω-3脂肪酸(EPA、DHAなど)は関節の炎症に対して医療現場でも頻繁に使われるようになりました。
なかでも、「緑イ貝」という貝は、EPAとDHAを豊富に含むだけでなく、抗炎症効果があると考えられるその他の栄養素も含んでいることから、関節を気にするパートナー用の食事やサプリに入っています。
この緑イ貝の抽出物を添加した食事を6週間与えた関節炎の犬では、与えていない関節炎の犬よりも症状が改善することが示されています。
関節以外にも注意するところはないの?
4.関節を支える筋肉
関節の痛みを防ぐためには、関節だけに目を向けていてはいけません。関節を支えるのは筋肉で、筋肉の衰えからも関節に余計な負荷をかけてしまうことがあります。
また、筋肉の衰えから来るふらつきなどは散歩中、家庭内での思いがけない事故に繋がり、そのために関節を痛めてしまうことがあります。
では、筋力をつけるために筋トレをさせれば良いのでしょうか?
高齢になってからの無理な運動は、より関節への負担を高めてしまいます。
「BCAA」は必須アミノ酸で、よく筋トレをしている方が飲んでいるプロテインにも入っていますが、普段の食事中のタンパク質の成分でもあり、ラム肉、卵などには多く含まれています。
BCAAのひとつであるロイシンは、食事に多く添加し血液中濃度をあげることで、筋肉の発達を促す効果があることがわかっています。
食べものを見直すことで、筋肉の衰えを防ぐことができるかもしれません。
日常生活で気を付けることは?
5.不幸な事故を起こさない
家庭内でプレシニア期を迎える準備として、床が滑らないようマットやコーティング、段差へのスロープ、家具の危ない角の保護シートなどで事故を防ぐ、もしくは、事故が起こった時に怪我をしないようにするといった対処も効果的です。
まだまだ子供のように感じるパートナーも確実に少しずつ歳をとっています。いつまでも元気に過ごしてもらうために、普段の生活環境、食事を見直すきっかけになれば幸いです。
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・紹介の商品を与えることで、症状の治癒、改善を確証するものではありません。
・異変を感じられた際には、まずは獣医師に診てもらってください。