えむちゃん
オーナーさま | パートナー | 性別 | 犬種 | 生年月日 |
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Tさま | えむちゃん | ♀ | 日本犬雑種 | 1995年5月生まれ(推定)、 2011年5月19日永眠 |
えむがシニア期に入り、まず最初に感じた変化は耳が遠くなったこと。それまでは帰宅すると玄関を開ける音に反応し玄関まで出迎えてくれていたのが、耳が遠くなると、私が帰宅したことに気づかず寝ているえむ。はじめの頃は出迎えがなくなって寂しく感じましたが、今までは見ることができなかった留守番中の無防備な寝相を見ることができてなんだかとてもほほえましく、出迎えとは違う喜びを発見できました。そして「耳が遠い=年老いた」と思うのではなく「耳が遠い=周りの音を気にせずゆっくり過ごしてほしい」と思うようになりました。
えむは雷が苦手だったのですが、耳が遠くなってからというもの雷が鳴ってもぐっすり寝るようになりました。えむのお留守番時に雷が鳴り出すと「雷を怖がっていないかな?」と不安になっていた私ですが、「きっとぐっすり寝てくれている」と思えるようになり、これは私のストレス軽減になりました。
若いときはお散歩大好き。ごはんを中断してでもお散歩に行きたい!そんな運動大好きなえむも、ゆっくり過ごす時間が増えていきました。そんなとき、私がえむとの絆を深めたのはマッサージ。犬のマッサージの勉強をしていたので、その力を発揮するときがやってきました!私にとって、肌と肌でぬくもりを確かめ合うこの時間はなによりも至福のときでした。マッサージしながらお互いのあくびがうつったり、一緒に眠ってしまったり、本当に穏やかな時間が流れます。
もうひとつの楽しみの時間といえば、食事とおやつの時間。手作りの食事を始めたのは、えむが10歳のときです。ホリスティックケア・カウンセラーとペット栄養管理士の資格を取得してから、私の趣味はえむのための食事&おやつ作りになりました。それまでは市販のフードやおやつをあげていましたが、愛情をたっぷりこめた手作りの食事とおやつをあげると今まで以上においしそうに食べてくれ、こんなにも喜んでくれるとは思ってもいませんでした。
命あるものに必ず訪れる「老い」を恐れず、悲しまず、「今」を受け入れ楽しむことをモットーにえむと接していました。最期2か月は寝たきり生活となり、私自身は24時間体制の介護をしていました。不眠不休でしたが身体の疲れを感じることもなく、穏やかに過ごしていました。例えるなら、まるで新生児の母になったような気持ちで、介護というよりは「育てていた」感覚の2か月でした。
心のどこかで見送る準備をしていたことも事実ですが、目の前にいるえむに愛情を注ぐことが楽しくもありました。家族の協力、獣医師の協力があったからこそ、パートナーとのシニア期の楽しみを経験できました。そしてもちろん、私の元に舞い降りてきた天使との出会いに感謝しています。
自分の人生の中で出会い、生活を共にできる動物たちは限られていますが、自分と関わりを持てた全ての方、そしてパートナーが、楽しく「一緒に。もっと」幸せになっていけたら素敵なことだと思います。